「日露戦争統計集 第8巻
『(軍事機密)明治三十七八年戦役統計』改題 」
編纂 陸軍省
復刻版解説 大江志乃夫
1995年6月30日 復刻版発行 原書房
市内のとある図書館で見つけた。アジア歴史資料センターで公開していただければ、いいのだけれども、しがらみからそうもいかないのだろう。
日露戦争といっても旅順攻囲戦と後備役と脚気と屯田兵しか関心のない、市井の無知なミリタリーマニア、経済的事情と周囲の厳しい視線の為、なかなか勉強することもままならない。旅順攻囲戦で甚大な被害をだした。第九、第十一師団に劣らず、実はもっと悲惨な状況を迎えていたと思われる後備歩兵第一旅団と後備歩兵第四旅団、その損害は書き写してきたのだが、編成人員を把握していた訳ではなかった。上記の本はやたら数字だけがならんでいる司馬遼太郎なら跨いで通る内容なのだが、数字を写すのが好きな私には堪らない。
P453~454
第三十 出征部隊應役人員月別
三十七年六月盡日
後備歩兵第一旅団
後備歩兵第一旅団司令部
将官 1
士官 2
下士 2
輸卒 3
計 8
獣医部
士官 1
従卒 6
馬卒 4
軍属
将校同等文官 1
下士同等文官 3
軍役夫 1
合計 24
後備歩兵第一連隊
上長官 3
士官 34
准士官 10
下士 137
兵卒 1588
輸卒 112
計 1884
経理部
士官 2
下士 2
計 4
衛生部
士官 4
下士 2
看護手 8
計 14
馬卒 13
軍属
下士同等文官 1
軍役夫 2
合計 1918
後備歩兵第十五連隊
上長官 3
士官 36
准士官 8
下士 140
兵卒 1605
輸卒 111
計 1903
経理部
士官 2
下士 2
計 4
衛生部
士官 4
下士 2
看護手 8
計 14
馬卒 13
軍属
下士同等文官 1
軍役夫 3
合計 1938
後備歩兵第十六連隊
上長官 3
士官 35
准士官 8
下士 142
兵卒 1600
輸卒 111
計 1898
経理部
士官 2
下士 2
計 4
衛生部
上長官 1
士官 3
下士 2
看護手 8
計 14
従卒 13
軍属
下士同等文官 1
軍役夫 2
合計 1932
後備歩兵第一旅団
将官 1
上長官 8
士官 107
准士官 26
下士 421
兵卒 4793
輸卒 337
計 5693
経理部
士官 6
下士 6
計 12
衛生部
上長官 1
士官 11
下士 6
看護手 24
計 42
獣医部
士官 1
従卒 19
馬卒 30
軍属
将校同等文官 1
下士同等文官 6
軍役夫 8
合計 5812
後備歩兵第四旅団
後備歩兵第一旅団司令部
将官 1
士官 2
下士 2
輸卒 3
計 8
獣医部
士官 1
従卒 9
馬卒 1
軍属
将校同等文官 2
合計 21
後備歩兵第八連隊
上長官 3
士官 36
准士官 8
下士 140
兵卒 1606
輸卒 112
計 1905
経理部
士官 2
下士 2
計 4
衛生部
士官 4
下士 3
看護手 8
計 15
従卒 13
合計 1937
後備歩兵第九連隊
上長官 3
士官 30
准士官 8
准士官相当官 6
下士 140
兵卒 1606
輸卒 112
計 1905
経理部
士官 2
下士 1
計 3
衛生部
士官 4
下士 2
看護手 8
計 14
従卒 8
馬卒 5
合計 1935
後備歩兵第三十八連隊
上長官 3
士官 31
士官相当官 1
准士官 6
准士官相当官 4
下士 140
下士相当官 2
兵卒 1606
輸卒 112
計 1905
経理部
士官 2
下士 2
計 4
衛生部
上長官 1
士官 3
士官相相当官 1
下士 2
看護手 8
計 14
従卒 13
軍属
下士同等文官 1
軍役夫 3
合計 1940
後備歩兵第四旅団
将官 1
上長官 9
士官 99
士官相当官 1
准士官 22
准士官相当官 10
下士 422
下士相当官 2
兵卒 4818
輸卒 339
計 5723
経理部
士官 6
下士 5
計 11
衛生部
士官 11
士官相当官 1
下士 7
看護手 24
計 43
獣医部
士官 1
従卒 43
馬卒 6
軍属
将校同等文官 2
下士同等文官 1
軍役夫 3
合計 5833
平均寿命の短い当時、ましてや一家の大黒柱を集めた部隊の実情である。
今週の読書
朝日選書「報道電報検閲秘史 丸亀郵便局の日露戦争」竹山 恭二
2004年12月25日発行 朝日新聞社
ブックオフで買い求める。旅順攻囲戦を調べている者にとっては必読の書である。