「リスボンの小さな死 上」ロバート・ウィルスン 訳者 田村 義進
2000年9月30日発行 ハヤカワ文庫
通勤途中の地下鉄の中での読書だけが懲りない趣味との繋がりだった。会社の前にあるブック・オフから¥105で買い求めた本からでも世界は広がる。
この本の上巻ではポルトガルのタングステンとドイツの関係が舞台となる。大戦前、ドイツが入手していた中国を始めとしたアジアやボリビアを始めとした中南米からのタングステンは大戦勃発後そのルートを絶たれる。
「中立国の戦い」 飯山 幸伸
2005年8月15日 光人社NF文庫
でも軽く触れられていたのだが、大戦勃発後はポルトガル、スペインから取得されるようになる。(絶対量にはまったく不足していたが)
これらの事情はアジア歴史資料センターで見られる(探し出すまでが大変だった)一次資料からもうかがい知ることが出来る
「秘 昭和十四年十一月
重要鑛産資源ニ關スル調査 第一輯
外務省通商局」
「秘 昭和十四年十一月
重要鑛産資源ニ關スル調査 第二輯
外務省通商局」
「極秘 昭和十五年十二月
獨逸に於ける石炭、金属及び石油需給問題
外務省調査部」
「世界情勢ノ動向 第2巻 第3巻」
「外務省通商局日報」
そうすると、周辺中立国の鉱産資源や軍需工業さらには、ドイツ占領下の国々の鉱産資源や軍需工業ととめどもなく想いは広がり、ああ~フランスの鉱産資源、枢軸国の鉱産資源、トルコの鉱産資源(クロム)と農産資源は?となるのである。
諾威
ニッケル鉱 1937年主要鉱山名及産出品位
会社名 Raffineringsverket A/S avd. Evje
所在地 Efnje
産出量(単位噸) 15,963
品位 Ni 0.572 Cu 0.379-3.059
会社名 Raffinering verket AIS avd. Hosanger
所在地 Hosanger
産出量(単位噸) 6,184
品位 Ni 5.823 Cu 2.185
などの記録を見ても、おそらく全量ドイツで使われるようになったんだと想像する。
そして2年ぶりに図書館に行ったりすると
「中立国スイスとナチズム-第二次大戦と歴史認識」
原著者 独立専門家委員会 スイス=第二次大戦
編訳者 黒澤隆文
訳著者 川崎亜紀子 尾崎麻弥子 穐山洋子
平成22年11月10日発行 京都大学学術出版会
という本が並んでいて、ドイツのハチハチが優秀なのはスイスの信管のおかげだったのかと理解する事になるし、水力発電の有難味が分かる。