戦前、南氷洋捕鯨で収穫された鯨油は、ほとんどドイツに輸出されて
いた。ドイツは戦前、世界最大の鯨油消費国で年間需要20万トンと称
され、昭和13~14年頃は自国の捕鯨船団拡充により、7~8万トン
は自給出来たが、消費の半分以上は輸入していた。これらは、マーガリ
ンになった。昭和13~14年の南氷洋鯨油世界生産量は463,680トン
日本の生産量は77,448トン、輸出量は69,114トンだった。
 ドイツ仮装巡洋艦「ペンギン(PINGUIN)」が南氷洋でノルウェーの捕鯨船団を収穫した鯨油ごと捕獲しドイツに還送したのも、ただマーガリンを食べたかったからだ。

 引用・参考文献
 「三菱商事社史 上巻」 昭和61年発行