鯨と言えば「鯨ベーコン」が美味しい。最後に食べたのは去年の今頃
大阪の鮨屋だった。たまにデパートで見かけても余りに高価で手が出な
い。鯨ベーコンとは畝須(ヒゲ鯨の畝《うね、腹皮で畝状になっている部
分》の内側に須の子と称する比較的固い肉が連なったままのもの)を
加工した物である。現在、南氷洋で行われている調査捕鯨で捕獲しているミンク鯨はヒゲ鯨なので、おそらくこれから作られるのであろう。今、沿岸捕鯨で極わずかに捕獲されているつち鯨や、鯨肉と称して売られているイルカは歯鯨なのでベーコンは作れないのであろうか?
 なぜか自分でも良くわからないが、昔から捕鯨には興味があり、最近、下記の本を読んで見た。 
 「日本沿岸捕鯨の興亡」近藤 勲
  2001年6月13日発行 山洋社
 「北洋捕鯨見聞記」楠瀬 和男著 宮脇 弘雄編
  平成12年6月1日発行 水産社
この中で「日本沿岸捕鯨の興亡」は特に興味深かった。
 ①明治41年鯨赤肉を原料とした鯨大和煮缶詰を軍に納入する目的   で、舞鶴海軍病院試験所に試験を依頼した所、試験成績良好で以後  も製造。
 ②第二次大戦に伴って、血塊と血液は熱処理の上乾燥した血粉でベー  クライト代用品が微量作られた。(牛や豚だけではなかった。)
 ③旧海軍の一等輸送艦、特別輸送艦十九号、十三号、十六号の小笠原  沖での捕鯨母船としての活動。
など書いてあった。

 参考文献
 「写真集 日本の小艦艇」光人社 昭和50年11月10日印刷
 「北の捕鯨記」板橋 守邦 
  1989年5月29日発行 北海道新聞社
 「鯨組の末裔たち 鯨を捕る」須田 慎太郎
  1995年4月15日発行 翔泳社