『クリスマス上等。』(ネタバレあり)

4840114285 クリスマス上等。

三浦 勇雄
メディアファクトリー
2005-10      

 

 

 

「おめでとうございます!! 五十嵐さんはサンタクロース役に大抜擢されました!!」雪の降り始めたイブの夜。異世界から来た槍ヶ岳と名乗る全身真っ赤なスーツの女は、あちらの中継番組の企画で、俺に一人の薄幸な少女を救って欲しいのだという。
確かに今夜は一人きり。予定なんてない。そして巻き込まれるままに邂逅した少女はクラスメイトの古都ゆかり!? ……彼女は最近両親を亡くしたばかりのはず。番組の都合があるから4時間で救えって!?俺に何ができる?俺は何をすればいい!?

しばらく積ん読ままになっていたのだが……もっと早く読めば良かったよ~。
物語の流れが始めは突飛すぎて「どうなのよ、どうなのよ、これ」って感じなのだけど、どんどん引き込まれていき、続きを読みたくなってしまう。

「この地球にはあなた方の世界の他に2つ世界が存在します」
そう槍ヶ岳は言う。
「第一世界(ザ・ファースト)」「内世界」:槍ヶ岳の住む世界
「第二世界(ザ・セカンド)」:内世界と外世界を繋ぐ世界
「第三世界(ザ・サード)」「外世界」:主人公の住む世界

外世界というのが私たちが暮らしている世界にあてはまる。
内世界は高度な科学を持っていて外世界に来ることができるらしい。
内世界では「外世界をのぞき見る」という番組が流行っていて槍ヶ岳は『ザ・外界ウォッチング』という番組のレポーターである。今回は特番として『外界人がイヴにサンタクロース役となって外界人の発行少女を救う』という番組でやってきたらしい。

主人公の五十嵐鉄平は槍ヶ岳に乗せられてサンタクロース役をやることになる。
さっそくロケハンに行くことになるのだが「瞬間移動」と言いつつ、アイマスク、ヘッドフォンをされ、乗り物に乗せられる。まるで、電波少年のようだ(笑)。

ヒロインゆかりと話し、彼女の祖父のクリスマスパーティーに行くことになってしまう。彼女のどこが薄幸なんだ?と思ってしまうが、この後、不幸というか災難が降りかかってくるのだった。
そして、鉄平は……。

始めにも書いたけど、どうして読まずに寝かしたままにしていたんだろうと思ってしまうくらい、良作だった。
この作者さん、この作品がデビュー作だそうで、次回以降もすごくたのしみですなぁ。
……ってもうすでに6冊も出てるみたい。
すぐ、続きが読めるのって幸せだ~。

Posted by: seed | 02-13-2007 | 07:02 PM
Posted in: MF文庫J | 読書

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