緑陰の雨 灼けた月<薬屋探偵妖綺談>(ネタバレあり)

4840114285 緑陰の雨 灼けた月<薬屋探偵妖綺談>

高里 椎奈

講談社文庫

2007-01

「灰色の木を金色に戻す薬を下さい」不思議な合い言葉を告げるとトラブル相談所に早変わりする深山木薬店を女子高生エリカが訪れる。寝ている布団が突然泥だらけになる、ぬいぐるみがカッターナイフで襲ってくる、自宅で続く怪奇現象に悩む彼女に、秋は四日で解決すると請け負うが?

やったー5冊目が出たー。とワクテカしていたものの、1月に発売したのに購入したのは2月になってから。しかも読んだのは今日(2月下旬)。出るのを待っていた人がやることじゃないよなぁ。
でも、読み始めたら止まらなかった(笑)。
ミステリーのようでなんか違うような……そんな作品。
表の家業は薬店(あまりやる気のない)だが、裏家業は人間世界でうまく適応できない妖怪の相談所や妖怪の被害に遭っている人を助けるという感じのことをしとります。
慈善事業という訳でなく、妖怪の存在が公になると自分たちの生活が危うくなる(つまりは薬店の3人組も妖怪)ので、先手を打っているだけだったり。

今回の相談の依頼者のエリカは実は以前にこの話に出てきてたんですが、途中までまったく気が付かなかった。すごく乱暴者で短気で……とまぁあまりいい印象を持てる人ではなかったので、困っていると相談に来てもあまり親身になってあげられなかったですよ(わたしが)。
怪事件が家の中でだけ起こるということで、その場から離すため、自分たちが行く予定だった温泉旅行に行かせることにしたのだけど、初めての旅行をするリベザルのかわいいことかわいいこと。同年代の柚之助(野弧)とも仲良くなり、今までの話は見知らぬ人と話すのに苦労したり、落ち込んだり、とそういうシーンが多かったので今回ののびのびしつつ、がんばって依頼をこなそうとする姿は本当にかわいかった~。

注)決して、ショタではないですよ。マヂで!!

残った大人組(秋と座木)は怪事件を解こうとするのだが、実は違う事件にも遭遇して……。真犯人は別のところにいた……って感じですよ。
途中で犯人はこの人なんじゃないかな?って思い当たるのだけど、理由がよく分からず、最後の方でやっと明かされて「なるほど~」と思わされた。

現在、新書で14冊刊行しているようなのでもっと早く文庫になってくれないかなぁと思ってしまう。新書で読んでも値段的にはあまり変わらないような気がするけど、やはし、表紙の唯月一さんの絵が楽しみで楽しみで(笑)。
今回の表紙のリベザルは幼すぎるような気がしますよ。

Posted by: seed | 02-26-2007 | 10:02 PM
Posted in: 読書 | 講談社文庫 | Comments (0)