とらドラ!9(ネタバレあり)

4048672657 とらドラ!9

竹宮 ゆゆこ
電撃文庫
2008-10

8巻での引きにやきもきしていたとらドラ、早々と9巻が出たものの……そう簡単にはやきもきは晴れることなく……。

どうにか実乃梨と竜児の間の蟠りというかすれ違いは解決した……のかな?
う~ん、始まった当初からずっと引っ張り続けてきた気持ちに決着がついたというか、実乃梨の気持ちが分かったのはよかったと思う。
でもね、実乃梨は竜児を好きと言いつつ、夢のためにだけ生きる。そう決めたから。
これで成立するのは竜児が先に実乃梨の事を諦めていたからで、諦めていなかったら勝手な人だなぁと。もちろん、大河のことを思っての行動だけど、じゃあ、大河のことは考えるけど、竜児のことは考えないの?ってことになる訳で……。

実乃梨のことを言いつつも、竜児の実乃梨と大河の間で揺れていたのも事実なので実乃梨1人を責めることもできないけど。
でもなぁ、竜児が大河の気持ちを知っていると知り、逃げ出す大河に「たった一言が素直に言えないんだよ」という実乃梨。竜児にはその一言を言わせなかったのは……。
や、こんな事を言っていたら堂々巡りだね(苦笑)。

亜美は亜美で、クラスの中にいるようで、でも外から見てしまう。人の感情が分かったしまうからもどかしくて何かしてあげたくなって、でも失敗して動けなくなってしまった。自分を大人に見せて人の感情を読んで、大人の世界でずっと生きてきたからこそ、1番繊細なのかもしれない。
竜児に向かって「あたしと付き合えば」みたいなことを言っていたのは竜児には本音で話せるからだと思っていたけど、実は実乃梨・大河・竜児が苦しむのを見たくなかったからとか……。亜美の真意がちょっと分からなくなってしまった。読解力不足……。

こう悩む暇もなく、竜児は進路のことでやっちゃんと対立してしまう訳だけど。
どちらの気持ちも分かるからどちらが正しいとも言えない~。
でもどちらも焦りすぎなんじゃないかな。
とりあえず進学コースにしておいて夏までにやりたいことを決めればいいんじゃないかと。そこまで来て何もやりたいことが見つからないのであれば就職も視野に入れる。
で、大学で勉強したいものが見つかったら奨学金を使っていくとか色々あると思う。
また、バイトも勉強に支障ない程度に体験させるのもありなんじゃないかな。まぁ、世間の厳しさはやっちゃんが特に知っているから外に出したくないというのもあるとは思うけど。
どちらも頑なすぎると思う。
でもね、片親でも大学に行かせようと仕事を増やして倒れるまで働いてくれちゃう親ってすごいと思うよ。普通は逆のパターン(子供は行きたいが親がお金無いのでダメ)の方が多いから。

大河は大河で母親(他の男と暮らしていて、その男の子を妊娠中)が出てきて、大河を引き取ろうとする。
どちらも追いつめられちゃって、両方の母親から逃亡……というところで続く。
ええーーーっ。つ、続きはどうなるんですかい、ゆゆぽ……。
これは生殺しですだよ。

Posted by: seed | 10-16-2008 | 10:10 PM
Posted in: 読書 | 電撃文庫

2 Comments »

  1. 生殺しに深く同意します。笑

    二人が逃げ出したのは、竜司が大河を失いたくなかったから。
    大河が竜司と離れたくなかったから。
    竜司は初めて、守ってやりたいと思える異性に出会った。実乃梨を想っていた時の感情とは違う。
    一方大河は、初めて、生まれて初めて心から信頼できる、自分を真っ直ぐ見てくれる異性に出会った。北村を想っていた感情とは違った。

    これからの事、将来のこと、家族のこと、友達のこと…そして二人のこと。

    どれも答えの出ていない問題を、一つ解決させるにもどれだけの時間がかかるか分からない問題を。齢17、8の高校生に突きつけられた現実。
    ここのところはずっと、そんな四面楚歌の日常を送っていた。
    今分かっていることは、二人で、ゆっくりと深呼吸できる場所で、大河の言っていた普通の恋、普通の幸せ、それが叶う場所を探して…。

    今後の展開が気になって仕方がありません…

    コメント by TaKT — 2008/12/22 月曜日 @ 3:05:08
  2. TaKTさま
    コメントありがとうございます。

    この展開、やはし生殺しですよね(笑)。
    アニメに合わせての新刊だと思ったら……ゆゆぽにやられましたね。

    あこがれ……とでもいうのでしょうか、遠くから見て光っていた相手を空想し、恋し……でもそれは空想でしかなかった。
    そう気づいた時、自分の近くに、本当の自分を見せられ、理解してくれる相手がいた。

    2人が暴走してしまったワケですが、そのまま突っ走れるとは思えず、ゆゆぽがこの先の展開をどう持ってくるのか、すごく気になりますね。
    来月に短編集が出て、3月に本編の新刊が出るそうです。
    それまでは生殺しのままですね……。

    コメント by seed — 2008/12/31 水曜日 @ 23:05:03

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