本屋で立ち読みをしていたら、面白い本があったのでお知らせする。
「 MINERVA西洋史ライブラリー79
石炭で栄え 滅んだ大英帝国
―産業革命からサッチャー改革まで― 」
著者 山崎勇治 2008年6月30日発行 ミネルヴァ書房
このところ頭から離れないカーヂフ炭、いい参考書に出会えた。この本の中で特に面白いのが、第1次大戦前夜、1910年までのヨーロッパ各国の石炭消費に占めるイギリス炭(英炭)の割合を書いた表だ。イタリアでは9割以上を英炭が占め(という事は伊国海軍はカーヂフ炭にまったく依存していたことになる)、フランスでも国内消費の25~45%をイギリスをはじめベルギーおよびロシアに依存し(その半量は英炭であり、艦船にも大量に使用されていたであろう)、また石炭輸出国としてヨーロッパ市場に激しく食い込んでいたドイツでさえ1907年には石炭消費量の9.2%にあたる1,182万トンの英炭を輸入していた。これをみれば、カーヂフ炭だけが持つ絶対的優位性が明らかになる。
「潰滅〈シュペー艦隊の最後〉」 エドウィン・ボイト 訳 実松 譲
昭和44年9月25日発行 フジ出版社
を読み返している。その石炭補給の話は実に興味深い。