戦時中の鉱産資源について書き出せば、石炭も書きたい、鉄鉱石も書きたい、金も書きたいと止まらなくなるので、今回は航空機用の積層合板について書き写す。これは昔書いた木製合板プロペラに繋がる。なお、機体の木製化については接着剤がらみの記述は非常に少ない。
「宇部興産創業百年史」宇部興産株式会社
平成10年6月発行
昭和18年8月には、宇部窒素工場が合成樹脂部を設け、陸軍航空本部の指令を受けてクレゾール樹脂の工業化に乗り出す。これは、タールからクレゾールを有 効利用して高性能の接着剤を生産し、木材の積層板を計画していたところに指令が出たもので、筒中セルロイド㈱(現・筒中プラスチック工業)と技術提携に よって具体化させた。積層板の寸法は厚さ3mm、幅1m、長さ2m、用途は練習機「赤とんぼ」材料に使うジュラルミンの補強材であった。昭和20年7月29 日操業を始めたばかりのこの工場は爆撃により壊滅する。
原料のクレゾールは宇部石炭を低温乾留して得られたものである。ところでジュラルミンの補強材ってどうゆう意味だ?