一部、有識者に蛇蝎のように忌み嫌われる「孫引き」チョット常識に欠けるプリンスはやっぱり書いてしまう。
昔、血液アルブミン接着剤に触れた事があるのだが、実際に日本で実用された話を始めて見た。軍事・兵器に興味のある方なら絶対に開く事は無い本である。
豚の血を塗った段ボール
三成紙器㈱会長(昭和51年当時)服部 豊氏
戦争中に開発された特殊な包装に「一九梱包」というのがあった。戦争が長くなって資材が不足、釘もなくなって木箱が出来なくなった昭和19年、糧秣省(廠?)が研究して開発したものであった。
当時、ファイバーといったものに防水塗料を塗布していたが、その防水塗料は、なんと豚の血を加工したもので、これを刷毛で塗っていた。この一九梱包には、乾燥野菜や乾パンなどを入れていたが、海軍では、潜水艦に積んでもスペースをとらないことから、重宝がられてずいぶんと使われた。
これは、当時の内閣総理大臣であった東条英機から、内閣総理大臣賞をもらった。
現在と違って当時は、大量生産の体制はなく、戦時体制下の人手不足でもあり、学徒動員に頼ってなんとか人手は確保したもの、高学年の学徒はみな軍需産業の方にとられて、段ボール産業のような軽工業には、小学生が勤労奉仕にやってきた。100名ぐらいくるのだが、その監督をするのが厄介で、まったく子供たちのお守りをするようなもので、たいへんな騒ぎだった。なかには、豚の血の臭気に当たって、気分が悪くなる子供もいた。これでは日本の国はもういかんなあと、しみじみ思ったものだ。
(「だんだん」第8号、昭和51、9、15)
段ボール産業の歩み ー団体結成40周年記念誌ー
編集兼発行者 日本段ボール工業会
全国段ボール工業組合連合会
昭和63年12月1発行
に転載
今回紹介した話は接着剤としてではなく、塗料として使われている。なお100~120℃位に加熱しないと固化、防水性を持たないようだが段ボールの場合どうしていたのであろうか?また、牛の血より豚の血で作った物が優秀だそうだ、理由は知らない。
参考文献
「接着剤」編集者日本学術振興会
昭和26年5月20日発行 産業図書株式会社
「戦前船舶」第26号が送られてきた。この中で
高オクタン価航空燃料工業ノ確立ニ必要ナル諸方策ト本工業ノ適正配置計画ニ対スル意見書ヨリ抜粋
との記述があり、イソオクタンにも触れられているのだが、私の知識がたりないのか、言わんとする事がさっぱり分らないし、資料の貴重性も分らない。出来れば詳しい解説を付けていただきたいものである。