駐車場
 マーク2から降りる二人。
 意気揚揚と歩くプリンス。
 肩を落とし後ろから付いてくる誉。

プリンス
 「いいか、ここが富良野市立図書館だ。どんなお宝が隠されて
いるか分からないんだぞ。ワクワクするだろう?」

 「はあ。」
プリンス
 「俺の日記ももう1ヶ月も更新していないんだ。全国の数少
ない読者が一日千秋の思いで待ち望んでるだぞ。3ヶ月も
図書館と名の付く物に近づいてないのに書けるわけないだ
ろう。」
誉の語り
 「父さん、うちの上司は人に言えないような恥ずかしい趣味
を持っているわけで、こうして社員旅行の自由時間にさえ付
き合わされて。父さん、最低です。」

図書館の受付前
 プリンス振り向く
プリンス
 「よし、お前に1時間、時間をやろう。おもいっきり楽
しめ。」
 茫然と立ち尽くす誉。
 自分の世界に浸るプリンス。

駐車場
 車に向かう二人
プリンス
 「だめだな、ここは俺の趣味に合わない。まあこういう事も
よくあるんだ。よし、次ぎは、土産に富良野の銘菓『へその
おまんじゅう』を買いに行くぞ。」

 「?・・・・」
語り
 「うちの上司もけっして悪い人じゃない訳で。でも・・・」

車中
 流れる尾崎豊「I Love You 」
 ハンドルを握る誉、声も無く流れる涙。