プリンス、自分の着る物も他人の着る物も、女性の下着を除けば何の興味もない。ここ数年、靴下1足自分で買ったことさえない。だから戦時中、将兵何を着ていようと知ったことでは無いのだが、その材料となると俄然興味が湧く。
 戦時中、将兵の防寒着、帽子、手袋、靴の裏地として毛皮が使われていた。毛皮は主にウサギが使われていたのだが、戦争半ばこれだけでは足りなくなり、いろいろな毛皮が使われるようになったようだ。雪印乳業の前身、「北海道興農公社」は戦時中、北海道内で各種農製品の集荷、加工を行ない、毛皮も大々的に扱っていた。昭和16年度―昭和19年度までウサギ皮を平均14万枚生産していたのだが、昭和19年度になると決定的に足りなくなり、いろいろな動物達が登場する。
 犬皮    15,000枚
 猫皮    45,000枚
 ねずみ皮  50,000枚
 きつね皮   4,000枚
 りす皮   23,000枚
 いたち皮  14,000枚
 あざらし皮  3,710枚
また、他の団体が集めた海軍用の銀黒狐、赤狐4,000枚の加工も行なっている。この中のねずみ皮は、昭和18年樺太で野ねずみが大発生し60万匹が捕獲された物を有効利用したものである。ねずみ皮、襟元、頭につけるのはプリンスはチョット抵抗が…・
 犬皮、猫皮の取得に関しては「献犬、献猫運動」というのがあったらしいが、これは印度総督様書いてくださいね。
 おまけとして、北海道の土産物店でトド肉の缶詰を見たり、買ったりした人もいると思う。プリンスこういうのが苦手なので貰っても捨ててしまうのだが、実は戦時中から、北海道興農公社でトド肉の缶詰(ソーセージも)が作られていた。これは貴重な蛋白源として重要産業方面に配給されていた。

  引用・参考文献
 「雪印乳業史 第一巻」
 「PX.NO.1 日本陸軍航空隊パイロットのユニフォーム              黒澤 郁二」
 「PX.NO.2 日本海軍特殊被服① 航空被服の変遷                柳生 悦子」
 「PX.NO.3 陸軍軍用被服の変遷 Part-1 高橋 昇」
 「PX.NO.15 日本海軍特殊被服⑮ 防寒被服の変遷               Part3 柳生 悦子」
 「PX.NO.16 日本海軍特殊被服⑯ 防寒被服の変遷               Part4 柳生 悦子」