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今大会を考える

 ベスト4が出そろったところで今大会を振り返ってみる。

 まずいえるのは今回の日本韓国共催が、単なるトーナメント大会と化しているということ。
 ワールドカップには、地力と呼ばれるものがある。これはなんなのかというと、その代表が持つ実績や伝統が力となって、代表の実力にプラスされることを指す。
 例えるならば、94、98年大会のドイツ。90年大会でピークを迎えその後の二大会では事実上抜け殻だったにもかかわらず、コンスタントにベスト8まで駒を進めたドイツの実力以上の力の源泉は、この地力に他ならない。
 とかく、ワールドカップとは理不尽なまでに経験がものをいう大会であり、勝つ国は絶対勝つという、一種方程式めいたものすら伺えた。前回までは。
 しかし、南米でもない欧州でもない、アジアの地でおこなわれた今大会には、今まで適用された法則はまったく無効化されており、繰り返すがまったく運頼みの単なるトーナメント大会に姿を変えているのである。今まで欧州南米の強豪国を支えてきた大地のパワーは、その片鱗すら伺えない。
 こうなってしまった今は、今大会最後の常識であるドイツがどこまでがんばってくれるかだが、まあ次回の開催国であることだし、ドイツ優勝もいいかなと。
 しかし、ベスト4が出そろった時点で、どこが優勝してもヤな大会ってのもなんかなあ。トルコはセネガル戦で魅力的なサッカーを見せてくれたけど優勝はちょっと……

 ついでに、スペインx韓国について。
 フツーの審判がついたら、当然やりすぎなラフプレイも不可になって、なしくずしフツーのアジアの代表になったかなという試合。ま、あれなら日本は勝てるかな、と。
 しかして相手のスペインもラウルがいないと予想外に弱く、そこに油を注ぐがごとく、メンディエータが存分に城っぷりを発揮したため、どこが無敵艦隊やねんなチームに成り下がり、ドイツxアメリカに負けず劣らずのダメカードになってしまった。
 ま、あのスペインなら日本は勝てるかな、と。

 結論から言えば、審判はクリーンでした。ただ、スペインの肩を持つならば、韓国の前二回の試合を見て、序盤慎重に進めたのがマイナスだったかも。
 ともあれ恐るべしはヒディンク。最高の代表と発展途上国の代表、ふたつでベスト4を成し遂げてしまった。まあ、後者は神風と疑惑の判定もあったけれど、イタリア戦におけるトラップ采配と対消滅するような超攻撃的選手交代は評価しなければならないと思う。ボラに次ぐ二代目魔術師として認定したい。