かつてタイ国海軍に存在したタンカー「サムイ(Samui)」号、生まれ故郷にちなんで名づけられたのであろうか?函館船渠(現在の函館ドック)は、昭和10年3月27日、タイ国海軍から油槽船の注文を受け、7月27日起工、昭和11年4月18日進水、8月3日竣成した。8月4日函館を出港、途中横浜で1,500トンの石炭及び石油を積み取り本国へ向かった。竣工当時、サムイ号は1,800馬力、総トン数1,457トンであった。
アジア歴史資料センターの
『対「タイ」石油供給ニ関スル件』
を見ると、昭和17年、サムイ号はタイで唯一のタンカーであった事が分る。また、戦時中のタイに対する南方石油の供給状況が分って面白い。
ところで、戦時中のタイ国海軍、海運の動きが分らない。艦艇の接収は行われなかったようだが、どのような状況にあったのか知りたいものである。
引用・参考文献
「郷土読本函館ドック五十年の回顧」斎藤 虎之助
昭和55年2月20日発行
「世界の艦船 NO.79 特集・タイ国海軍艦艇の現況」
昭和39年3月15日発行