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ゆうばり映画祭へ行って日本国内最速でスラムドッグ$ミリオネラを観てくる

ゆうばり(中略)映画祭は、実は今まで一度も行ったことが無くて、今回初。去年は、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドに女立喰師列伝、ペールゼンファイルをやってたので行くつもりだったんだけど、急な用事で行けなかったんだよね。

で、メイン会場の市民会館へ行くとショボイ、感動的なまでにショボイ。なんか地方開催の同人誌即売会みたいなレベル。

でも、招待作品が上映されていたメインの上映会場は、なかなかのもの。っつーか、シネコンの中規模なみの観客席数で、ちょっと驚いた。こんなもん作ってるから破綻したんじゃないのか。

市民会館前では、地元有志の皆さんが、ホタテだのジンギスカンだの焼いて無料で振る舞っていた。ウチのヨメは祭りの出店とか大好きな女なので、これに大喜び。気前よく第三のビールも配ってたりして、結構お金かけてる。募金箱が用意されてたので、少しだけど入れてきた。ただしこの日の外気温は-10度。凍えそうになったところで食いは切り上げ温泉に移動。一風呂浴びたら、ちょうどこの日目当てのスラムドッグ$ミリオネラの開場時間だった。

上映前に、フジテレビアナウンサーの葛西(とくダネでオヅラの横に立ってる男)が作品の解説。途中作品を買い付けた担当者を交えてトークになった。

この作品、初公開は去年9月なんだけど、その担当者は6月の時点で脚本だけ読んで買い付けを決めたんだと。無名でしかも舞台がインドということで、買い付けた当時は社内での風当たりもきつかったんだけど、公開後ドカドカと賞をとりまくり、ついにオスカーを取ったあたりでは周りの見る目も変わったとか。こういう目利きの配給業者がもっといてくれれば、ホテルルワンダもホットファズも観るのに苦労しなくてすんだろうになあ。

今回、映画祭の招待作品に選ばれたけれど、もちろん決まった時点ではまだオスカーなんて話はなかったはずなので、この映画祭にも目利きがいるんだろうね。去年も、ノーカントリーと一騎打ちになったゼア・ウィル・ビー・ブラッドを招待してるしね。

スラムドッグ$ミリオネラがどんな映画かというと、スラム街出身の青年がクイズ・ミリオネラに出て1000万ルピー賞金をゲットする。でも、お前無知なスラム育ちのくせになんでなんでそんな難しい問題知ってるのよ。弁護士や医者でも16000ルピー止まりがせいぜいなのに。と言うわけで彼は、詐欺容疑で逮捕され警察の尋問を受けるんだけど、彼が問題の答えを知っていたのは、今までの彼の激動の人生の体験の中にその答えがあったからだった、とかそういうかんじ。制作費はたったの13億で、舞台はインド、出演者もほとんど無名、宣伝広告はほとんどなしとのことで、アメリカではDVDスルーされるんじゃないかと言われていたのが、公開されてから口コミで盛り上がりあれよあれよのうちに評判はうなぎのぼり。ついにアカデミー作品賞を取ってしまった。

中身についてはこれ以上言えないけど、なんというか脚本が完璧で、素晴らしい映画だった。また、インドなんだけど物語の作りは真っ向ハリウッド映画で、貧困問題を取り上げた事も含め、オスカーになったのも納得っちゃあ納得。

4月に一般公開されたら、みんなも観ろよ。