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海外で恐怖奇形人間がDVD化!

Horrors of Malformed Men
Horrors of Malformed Men

米アマゾンでオーダーした。はじめての米アマゾンだったので、ちょっと緊張した。

この映画については、9年ほど前、自分が初めて見たとき書いた感想があるので、それをそのまま載せておく。

 さて、お正月も三が日を過ぎましたが、みなさんはどのようなお正月を迎えましたか? 人間のクズであるわたくしは、クズ相応のお正月を求めに、『映画秘宝主催・年越しオールナイト上映会』へと足を運んだのでありました。
そう、映画秘宝っていうとアレです。「非常に愚鈍な編集方針である」とキネ旬に叩かれたのを受けて、キネ旬の編集部まで襲撃を敢行、中傷記事を書いたラ イターの顔にパイをぶつけてきてその挙げ句、キネ旬から訴えられちゃったあの映画秘宝ですね。もっと分かりやすく言えば、上映会の前に行われたライターに よる97年度ベストテンで、マーズ・アタックがブッチギリで一位になってしまう雑誌なわけです。そいや、三位にアナコンダが入ってたな。四位にえばーが 入ったのを発表したとき、司会のガース柳下がヤなカオしてたっけ。
んで、この日の上映会の目玉は、映画秘宝オールタイムベストテン投票で、邦画では最高点をマークした『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』 ぁぁ、この映画ずっと見たかったんですよ。なにしろ未来永劫ビデオ化不可能な作品で、こういう上映会でしか見れないって聞いてたから。
なぜ、ビデオ化不可能なのか? それは劇中に放送禁止用語出まくりな上、その内容からしてメチャクチャヤバいから。
なにしろ、始まった瞬間、「俺はキチガイじゃない!」連呼。キチガイキチガイ20回以上言ってたな。しかもそのあらすじというのが、『金持ちの名家の当主が手に水掻きのある奇形人間で、無人島に奇形人間を集め奇形人間の楽園を作ろうと企てる。ついでだから息子よ、お前も外科手術を受けて立派な奇形人間と なり、この楽園の王となりなさーい』という、なんだか胸にじーんときて、思わず嘆息の漏れるようなお話なんです。
そしてこの映画の目玉は、土方巽率いる暗黒舞踏団が全面協力していること。土方巽が前述した水掻きのある当主を魅力たっぷりに演じてくれるんです。もう スゴイのよ、歩くときも話すときも、すべての動作が暗黒舞踏。ほいで、無人島の奇形人間を演ずるのは、もちろん暗黒舞踏団の面々。この映画、途中までは、 まあ割と普通の乱歩映画なんだけど、この無人島に舞台が移った瞬間、めくるめく暗黒舞踏ワールドに突入して、衝撃のラストシーンまで一気に突っ走るので す。
そうなんですよ、この映画、ラストシーンがスゴイんです。これだけは口が裂けても言えないんだけど、とにかく直球も直球、時速200Kmの剛速球。その狂気度を、Gガンの最終回と対比するなら500倍くらいかなあ?
とにかくですね、見終えた瞬間、自分の心のナンバー1邦画が誕生しましたですよ。多分これは永遠に変わらないでしょう。あれを越える邦画が、この先現れるなんて考えられませんから。
当日知り合った人の話では、この映画の上映会は都内で年に二回くらいはやっているとのこと。都内でなくとも、主要都市であれば上映会はやっているんじゃないかと思います。もし上映会の知らせが目に入ったら、万難を排除して見に行くことを薦めます。
「世の中には二種類の人間がいる。『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』を見たことのある人と、見たことのない人だ」