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分解されそうな男

 アルフレッド・ベスターのSF長篇「分解された男」は、悪いことしようとするとテレパスイーで関知されてしまうので犯罪はできない未来世界の話なんだけど、この世界で悪事をたくらむ主人公は精神感応防御の手段として、「死ぬほどくどいCMソングで頭の中をいっぱいにする」という方法をとる。
 確かに、好む好まないに関係なく、一度耳についたら離れなくなって、終いには一日中頭の中でなりっぱなしになる曲ってあるよね。実は自分も少し前、精神感応防御の用もないのに一日中同じ曲が頭の中でなりっぱなしだったことがあった。

 ♪二人のハートバーランス くじびっきアンバーランス

 ぁぁぁぁぁ、またなりはじめたあ……

追記:自分が「分解された男」を読んだのは15年以上昔、プロットについての記憶がイマイチ定かではなかったので、ちとググってみたんだけど、この作品って、「幼年期の終わり」「都市」「華氏四五一度」をちぎって、第一回ヒューゴー賞長篇部門に受賞してたんだね、スゲエ。今じゃほとんど知られてないけど。

げんしけん5巻インプレッション

 荻上カワイイじゃん。

 四巻の最後でビミューな新キャラを追加していたのを見て、安易に増やして大丈夫なのかなあ、と思っていたけど、全然問題なかったみたい。というか、やっぱりこの作者はストーリーテリングうまいね。
 登場人物の既視感について、斑目に関しては自分であったということが、他者からの指摘で判明。大いにヘコむ..._| ̄|○ 思わずヨメんとこ行って、「オレって斑目に似てるの?」と聞きにいっちまったよ…… まあ、確かにムダに仕切り屋で、ムダにうるさくて、ムダに自己主張が激しくて…… うん、当てはまってるよ。_| ̄|○
 あと、やたら髪の多いコスプレ女も思い出した。メディアワークスの青木さん(本名)とこのヨメさんだ。

 で、やはりこのマンガは、なんていうことのない場面での細かいディティールの積み重ねが結構きいてくるんだなあと再確認する。たとえば、斑目が新会長に指名されるときのリアクションとか、あ~あ、こういうカンジなるよねとか。や、別に自分が斑目に似てるとかは関係なくしてね。
 こういう部分は分からない人には全然分からないけど、分からないなりに見ていて面白いものなんじゃないだろうか? たとえば、一昔前デコトラで爆走するゲームが大ヒットしたけど、このゲームを買った人のほとんどはデコトラについては知らないはずだ。でも知らないなりにそれは面白かったのだ。

 そういう計算の上で、げんしけんの連載はゴーサインがでたんだろうな。別にアフタヌーンだからオタ趣味が暴走したってわけじゃないのだ(たぶん)