アルフレッド・ベスターのSF長篇「分解された男」は、悪いことしようとするとテレパスイーで関知されてしまうので犯罪はできない未来世界の話なんだけど、この世界で悪事をたくらむ主人公は精神感応防御の手段として、「死ぬほどくどいCMソングで頭の中をいっぱいにする」という方法をとる。
確かに、好む好まないに関係なく、一度耳についたら離れなくなって、終いには一日中頭の中でなりっぱなしになる曲ってあるよね。実は自分も少し前、精神感応防御の用もないのに一日中同じ曲が頭の中でなりっぱなしだったことがあった。
♪二人のハートバーランス くじびっきアンバーランス
ぁぁぁぁぁ、またなりはじめたあ……
追記:自分が「分解された男」を読んだのは15年以上昔、プロットについての記憶がイマイチ定かではなかったので、ちとググってみたんだけど、この作品って、「幼年期の終わり」「都市」「華氏四五一度」をちぎって、第一回ヒューゴー賞長篇部門に受賞してたんだね、スゲエ。今じゃほとんど知られてないけど。