学研「金剛」本掲載のサマール沖海戦合戦図

 あの図は古き良きロスコーの「第二次世界大戦における米駆逐艦作戦史」に掲載されていたものです。この合戦図は出自が旧いこともあり(同書は昭和二八年の発行)、近年の研究で米艦の位置に誤解があるとかの問題点があることも指摘されていますが、日本側の航跡は各隊の戦闘詳報を元にしているらしく、第一戦隊の南進がやや早すぎる気配がある・第十戦隊の後方にいる二水戦が無視されているとかはあるものの、概ね正確であると見なせる物です。特に第三戦隊については、防研で閲覧出来る「金剛」「榛名」の戦闘詳報の内容及び付随する航跡図と比較してみたところ、市販書に出ている航跡図ではこれが一番正確であると見なせると判断出来たため、これをトレス図にして掲載して貰う様に依頼した次第です。

 ただ気がついたらトレス図でなくて日本語訳版が掲載されており、日本語が妙なところは校正時に指摘しておきましたが、一部未だ妙なところが残っています。例としては「Kumano hit by Hoel Topedoes – Dead in Water Suzuya stand by」が「熊野ホールの魚雷を受け沈没。鈴谷見守る」になってたんで、「熊野魚雷を受け航行不能、鈴谷見守る(「鈴谷旗艦変更のため待機」にしたかったが、入りそうもなかったんで)」に代えましたが、掲載図では両者が合体して「熊野ホールの魚雷を受けて沈没 航行不能を鈴谷見守る」(一体どっちなんだ~(´▽`;)になっておりました。
 あと因みに「熊野」が喰った魚雷は、本図では「ホール」が放った物とされていますが、最近の研究では「ジョンストン」が発射した魚雷と確認されています。私も今回改めて調査しましたが、本文に書いた通り「ホール」の魚雷は「金剛」に向けて発射されており、雨の中を驀進する「金剛」がこれを回避したことが日本側の記録からも確認出来ます。

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