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げんしけん5巻インプレッション

 荻上カワイイじゃん。

 四巻の最後でビミューな新キャラを追加していたのを見て、安易に増やして大丈夫なのかなあ、と思っていたけど、全然問題なかったみたい。というか、やっぱりこの作者はストーリーテリングうまいね。
 登場人物の既視感について、斑目に関しては自分であったということが、他者からの指摘で判明。大いにヘコむ..._| ̄|○ 思わずヨメんとこ行って、「オレって斑目に似てるの?」と聞きにいっちまったよ…… まあ、確かにムダに仕切り屋で、ムダにうるさくて、ムダに自己主張が激しくて…… うん、当てはまってるよ。_| ̄|○
 あと、やたら髪の多いコスプレ女も思い出した。メディアワークスの青木さん(本名)とこのヨメさんだ。

 で、やはりこのマンガは、なんていうことのない場面での細かいディティールの積み重ねが結構きいてくるんだなあと再確認する。たとえば、斑目が新会長に指名されるときのリアクションとか、あ~あ、こういうカンジなるよねとか。や、別に自分が斑目に似てるとかは関係なくしてね。
 こういう部分は分からない人には全然分からないけど、分からないなりに見ていて面白いものなんじゃないだろうか? たとえば、一昔前デコトラで爆走するゲームが大ヒットしたけど、このゲームを買った人のほとんどはデコトラについては知らないはずだ。でも知らないなりにそれは面白かったのだ。

 そういう計算の上で、げんしけんの連載はゴーサインがでたんだろうな。別にアフタヌーンだからオタ趣味が暴走したってわけじゃないのだ(たぶん)

げんしけん インプレッション

 イタい。とてつもなくイタい。
 実はヨメが単行本を購入していたので試しに読んでみたのだが、あまりのイタさにいたたまれなくなり、一話で一度読むのをやめてしまったのだ。
 どういう話かというと、オタクが集まってダラダラやる話。その描写の克明さがあまりにもイタいのだ。
 駄菓子華氏、この漫画をもしパンピーが読んだならば、よく分からんと言って終了するはずなのである。このイタさが分かるのは自分がイタい人だからであって、そのイタさが分かれば分かるだけ自分がイタい人間なのだということを理解する段になって、思わず愕然とするのであった。
 げんしけんは鏡の向こう側なのである。

 しかし、読み進むについて気付いたのだが、この作者話作りがうまい。オタネタをベースにしたフツーに面白い漫画に仕上がっている。結局コレはイタくない人が読んでも面白いんじゃないかなという結論に達した次第である。それにしても、この漫画の、なんかどっかで見た気がする登場人物達はいったい何なんだろうな……

 さてそれはさておき、第四回「何でウチのワンコはこんなにかわいいんだろう会議」でも開くか(結局ハマってるじゃん)

加二号作戦 続々報

 対潜装備のないまま、ノーチラスの強襲の受け甚大なる被害を受けた我が軍であったが、過日、戦艦ヒラサワを旗艦とする澁澤機動艦隊の突入を受け、二正面作戦を余儀なくされてしまったのであった。もーとにかくどーにもこーにもならなくて困ったモンなのである。そろそろ復帰しないとヤバいぞ……

プラネテス インプレッション

 まず、原作。
 自分が原作に感じた率直な印象は、脚本が突き抜けすぎていて、他がそれについていないというもの。脚本というかプロットは本当に一級品だと思う。事実、原作のストーリーの多くはそのままアニメになっている。
 ほんじゃあ、突き抜けた脚本に対して足りないモノは何なのかというと、やはり人物の作り込みだろう。
 原作プラネテスの登場人物は、ハチマキもユーリもフィーもタナベもみんな同じ性格だ。なんやかんや言っても最後に言うことは無表情に「ま、いっか」そんな登場人物ばかりである。
 そしてさらに致命的なのは、この作者、女が描けない。外も中も。フィーもタナベも中身は男である。宇宙空間でハチマキとタナベがしりとりをする場面は原作屈指の名脚本だが、あんなん男女相手にやってはもったいないと思うのだ。
 絵に関して、デビュー当時の幸村誠は(当然だが)読者に媚びようという姿勢もあり、一巻の地球外少女のノノなど、十分見れるレベルの絵柄だが、ある程度の地位を築いてからは自分の好き勝手な絵を描いている。よって二巻登場のタナベなど相当キツイ。まあ、守村大のアシ出身なんだからこれは仕方ないか。
 などと人物の描き分けについては辛辣な評価になってしまうが、幸村誠はまだデビュー五年目の28歳。年齢から考えれば平均値からさほど見劣りするモノではない。ただ、前述の通り脚本が突き抜けているため、どうしてもそこが目立って見えるのだ。

 アニメ版と原作のもっとも大きな相違点はタナベの性格だろう。「愛がなくちゃダメなんです!」と連呼する女にふさわしい、まっすぐで純真なキャラクターがアニメでは用意されている。そしてこれは大正解だ。
 繰り返すけれど、原作タナベはヒロインとして相当キツい。アレを相手に「愛し合うことだけはやめられないんだ」と言われても厳しいのである。

 自分がアニメを通しで見たときは、やたらとテンションの高い脚本に心底感心したのだけれど、自分が感心した脚本の多くが、ほぼ原作ままだということが分かって二度感心したのであった。ただ、原作ではページ数の都合からか、描写不足のところが多少あり、それをアニメでは見事にカバーしている。また原作へのリスペクトは誠実なもので、原作のサブタイトルはそのまま採用されているし、セリフもほとんど原作のままだ。
 もちろん、原作の引き写しだけではない。アニメオリジナルの素晴らしい回もある。一つあげるならばやはり、11話「バウンダリー・ライン」だろう。
 誰も知らない南米の小国からやってきた宇宙服のセールスが、母国産業初の国際規格取得を目指す。その男には紛争の絶えない母国に産業を興すという確かな決意があった。
 ……というまんまプロXなストーリーのこの回はアニメ版屈指の名エピソードだ。
 そして、このエピソードの前後に単行本一巻のphase1 phase3 phase4が配置されており、名脚本の連続で見る者を圧倒するのだ。

 アニメはオリジナルのエピソードを挟みつつも、ハチマキがフォン・ブラウンの乗員を目指す、基本は原作と同じ流れをたどる。そして最後は一巻のカバー、そして「ロケットの見える風景」でユーリが言った台詞、つまり「天も地も自分も含めてすべて宇宙」というテーマに向かって物語は収束し、途中のハード展開がウソのような爽やかなエンディングを迎える。

 なんかまとまらないけど、このポストはここでいったん切っておこう。もっと色々書きたいことがあったような気がするんだけど、もう忘れちまったい。

 最後に、自分的にグッときたエピソードを列挙。

#03 帰還軌道
 原作のタナベ登場回だが、完成度は原作より上。遺族が遺体を引き取る動機が明確。

#04 仕事として
 アニメオリジナル。これはただ脚本がうまいと褒めるしかない。

#06 月のムササビ
 分かれた妻の父親に「ろく職にも就かんで、忍者ごっこか。くぉのゴクツブシがぁ」とおもちゃの刀でペチペチ頭をたたかれる小源太に泣き。絵コンテが米たにヨシトモ。

#08 拠るべき場所
 オーソドックスなパターンではあるけど。

#10 屑星の空
 原作第一話。アニメ第一話オープニングでもある。コンパスの言葉はグッと来る名脚本。これは原作の幸村誠がただただ見事。

#11 バウンダリー・ライン
 前述の通り、屈指の名エピソード。中島みゆきの歌声が聞こえてきそうな勢いで泣ける。

#12 ささやかなる願いを
 「生きてるって素晴らしいね」「知るか!」

#18 デブリ課、最期の日
 まあいつか来るんだろうなと思っていたらやはり来た係長。期待を裏切らずかっこよく文句なし。

 で、これ以降のエピソードは、面白いは面白いんだけど、重すぎてちょっとグッと来るというのではないので割愛。「#24 愛」なんて、監督が山賀に変わったのかと思ったけど……
 もちろん、最終回はよかった。

加二号作戦続報

 情報部の報告により、敵超巨大堅物潜水艦ノーチラスはどてらを愛用しているという事実が判明した。これは黙ってはおられない。なにしろ小官は↓のごとく、どてら愛好家なのである。

「I have a dream that one day on the red hills of Georgia the doughters of former slaves and the doughters of former slaveowners will be able to dress in DOTERA together. I have a dream」

「私には夢がある。
 いつの日かジョージア州の赤い丘で、かつての奴隷の子孫の娘達と、奴隷主の子孫の娘達が、一緒にどてらを着る事が出来るという夢がある」

 1963年8月23日、ワシントンで行われた公民権運動の演壇において、キング牧師が行った、この有名な演説の一節の中で「どてら」と言う言葉は、広く世界に知られるようになりました。
 さて、『印刷機』『羅針盤』と共に、世界の三大発明とされているどてらですが、西欧諸国における知名度の低さは、今現在をもっても、目を覆うばかりの低さです。
 我々の到達するべき目的は、国家、宗教、人種、これら全ての障壁を乗り越えて、全世界の少女達が、どてらを身に纏う事によって初めて実現される、

 『多民族どてら主義の樹立』にあります(スターリンのアレに非ず)

 その日が来るまで共に戦おうではありませんか!

 ちなみにこのテキストが発表されたのは今から七年前にさかのぼるのだが、初出がどこなのかは最高軍機なのである。仲間由紀恵のデビューシングルを持ってるなんて口が裂けてもいえないのであった。

プラネテス

 プラネテスはNHK-BS2で2003/10から2004/4まで放映されたアニメで、七月からNHK地上波でも放映が始まっていた。んで、その地上波放映を見て激しくドハマリ。全話をかき集めて、昨晩までかけて一気に見た。原作も読んだ。

 面白い

 とにかく問答無用で面白い。濃密な原作に助けられているものの、このでたらめに質の高い脚本、後半の怒濤の展開はどうだ。特に佳境の25話の頭などついエキサイトして、

  .-、  _
  ヽ、メ、〉      r~~ー-、__      ________________
  ∠イ\)      ムヘ._     ノ      |
   ⊥_      ┣=レヘ、_ 了     | え--い、ハチマキはいいっ!
-‐”「 _  ̄`’ ┐  ム  _..-┴へ   <
  | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒’,    ヽ.   | タナベを映せっ!
  (三  |`iー、  | ト、_ソ   }     ヽ   | タナベはいったいどうなったんだ!!
  | |`’ー、_ `’ー-‐’    .イ      `、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | |   `ー、    ∠.-ヽ      ’,
__l___l____ l`lー‐’´____l.       |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||  .|      |
               ||  |__.. -‐イ
               ||   |    ノ/

 などと怒鳴ってしまう始末。ぁぁ、こんなに面白いアニメを見るのは久しぶりだあ。
 詳細なインプレは後日書くことにする。

このままじゃイカンと思うのです

 秘匿名称「加二号作戦」において、我が軍は甚大なる損害を被るもの也。
 主因は敵超兵器ノーチラス(仮名)の攻撃により敗走に次ぐ敗走、玉砕に次ぐ玉砕を続けたことにある。
 そもそも、敵超巨大双股戦艦多摩(仮名)を冷やかし半分に偵察しようと始めた本作戦であったが、予期せぬノーチラス(仮名)の強襲によって、戦況は一変してしまった。
 ノーチラスの破壊力、その衝撃たるや、十年前の「弩二号作戦」におけるIS戦車ショックにも勝るとも劣らず、先日なぞついうっかり、我が軍のデスクトップにノーチラスの戦場写真を採用した所、それを配偶者に見られてしまい、ひとしきり(´Д`)な顔をされた後、「がんばれよ!」と声をかけられ隣の部屋へ逃げられてしまう始末。

 ぁぁ、どうしよう、ぁぁ……

電車男を読む

 すでに時期的には今更らしいが、先日電車男を読んだ。
 電車男に関する説明はココ。

2ちゃんねる発「純愛物語」にハマりまくる人々

 恋愛物語として考えた場合、あらすじ自体は全然つまらないのだけれど、その課程がライブで進行する様が生々しいというか、非常に距離が近くて臨場感がある。また、電車男に対してミクロなアドバイスを与え倒すスレ住人の世話焼きっぷりが、なにやら下町人情もののごとくのノリで、ハートウォーミングである、よい。

 この話は掴みがいいんだよな。彼女いない歴=年齢、22歳アニオタの電車男は、ある日電車で女性に絡む酔っぱらいを制止する。それのお礼にと女性はペアカップを送ってくる。あるスレ住人が聞いた。カップのブランドは何?と。

HERMESって書いてあるけど。どこの食器メーカーだろ

 この電車男のマジボケから話は大沸騰し、女性はエルメスと呼ばれるようになる。

 自分的にツボだったのは、エルメス女史の萌えキャラぶりだ。まとめサイトに置いても、エルメス語録として記録されているけれど、電車男の再現するエルメス女史は、常に柔らかな笑みを絶やさず、ほんわかとして優しさのあふれるお姉さんといった印象だ。ただ、現実の女史はそれと異なるのではないだろうか。つまり、スレで語られるエルメス女史は電車男の脳内フィルタを通して、その言動にも修正が加えられていると思われる。だいたいにして、ある人間との会話を後日完璧に再現するなど不可能に近い。そこには再現者のフィルタがかかって当然なのだ。

 では電車男が無意識に作り上げたエルメス女史、そのモデルとは誰なのだろう? それはスレの半ばに電車男が投下したスレ違い誤爆によって解明する。

「これ喜久子姉ぇ? 」

 そう、アニオタである電車男は井上喜久子さん萌え萌えだったのだ! 試しにエルメスセリフを喜久子さん声で読んでみると…… ハマる! ていうか完璧だ! なんか読んでる最中も既視感を感じていたが、そうかそうだったのか。エルメス女史の萌えキャラは、電車男の喜久子さん萌えが創出したものだったのだ。
 とは書いたものの、この話自体が電車男の創作だとは思えない。あまりにもリアルにすぎるし、創作にしては手が込みすぎているし、検証しても、ダウトと思える部分が見あたらない。

 エルメス女史は中流家庭の一番上くらいの家らしく、家で飲むお茶は英国御用達超高級ブランド、ベノアティー、室内でダルメシアンを飼い、連休があったら海外へ出るのがアタリマエ。そんなエルメス女史に、自分じゃ釣り合わないとウジウジ悩み始める電車男。そんな電車にあるスレ住人が渇。

あのね、ぶっちゃけね、英語がどうとか海外がどうとか紅茶がどうとか
そう言う以前に、エルメスんちに行くとかそっちの方がよっぽど大変なんよ。
エルメスんち行きのチケットとかJTBで売ってくれない訳。
どうすれば招待してもらえるのか誰も教えてはくれない訳。
英語とか海外とかは金と暇でどうにかなるんだよ。

 この発言はグッと来た。そしてこれは、2ちゃんねるならではの高品質な発言だと思う。2ちゃんねるにポストされる発言はその99%がゴミだが残りの1%には他のどこに行っても読むことのできない金言が含まれる事が多々ある。それを一度でも見て、目から鱗を落とした経験を持つ者は2ちゃんねるに対する見方を変えるのだけれど、それをなしえない者は、あいかわらずゴミダメ、人間のクズしかいないところと決めつけるのだ。
 この高品質な発言を可能にしているのは、2ちゃんねるの抱える膨大な参加者である。専門家をそろえたお行儀のよいサイトなど、圧倒的な数の前には、かないはしないのだよね。

 物語は電車の告白をもってハッピーエンドで終了する。しかし、読み終える前から感じたのが、これこんなに有名になっちゃったら、エルメス女史の目に触れる可能性も高いんじゃなかろうか? そんなんなったら破局じゃねえのかということ。とか思っていたら、独身男性板にそのものスレが立っていた。おそらくガセだとは思うけど、それが現実になる可能性は高いんじゃないかなあと。

 電車男を完読してから、同じサイトにある他のスレも読んでみたけれど、たいていひどい終わり方してるなあ…… 特に輪ゴム 「賭け」なんてヒデーよこれ。まあでもフツーの現実はこの程度だよなあ。反面、電車男は話が出来過ぎという意見も多いけど、でもあれくらいのイベントは人生に一度くらいはあると思う。

皇国の守護者八巻

 過日、書店に平積みされているのを見て仰天する。なんだよ、まだ佐藤大輔で執筆する気あったんだ、へー。
 で、一気に読了したものの、前の巻から全然話し進んでないやんこれ。
 ホモホモ17と同時期に執筆したからか、性描写がねちねちしてていやーんなカンジ。ちうか大ちゃんの中では今ホモが大ブームですか? 今度はヤマジュンのパロディでもやってくれよ。

『デビル17 / 豪屋大介』 を読む

 十年来の盟友牛乳館長に大プッシュされ読む。
 ちなみに豪屋大介とは佐藤大輔の変名。この名前で「A君の戦争」ってライトノベルを書いてたんだけど、また悪い癖が出て新しいの始めたんだな。
 で、インプレなんだけど……

 エロゲのノベライズかなんかこれ?(´Д`;)
 正しいタイトルは「ホモホモ17」だろうとか、ツッコんで欲しくて書いたのかとか、まーそんなのどうでもいいけど、もう続きが出ても読まんぞ。