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時をかける少女を観る

 ナニコレ、完璧じゃん。 細田監督天才じゃん。

 開始直後、信じられないほど汚い描線で動き出し、ちょっとびっくりする。貞本キャラなのに、なんかギャグマンガ日和みたいな絵。しかし、この描線の汚さに何の意味があったのかは終始謎だった。まー、なんというか、内容について触れられるのはこれくらいか。

 とかく98分という尺が信じられないほど、ぎっしり詰まった映画だった。メチャクチャ面白かったホントに。

 自分にとって、細田監督は、橋本カツヨ名でウテナの絵コンテを切っていた人としか認識されていない。あの生徒会会議の訳のわからない展開の多くは、細田監督のアイデアだったと、幾原は述べていたのだ。細田守=ウテナのコンテ切ってた人、というのが今回自分がこの映画を観た動機でもある。

 あともう一つ、動機になったのはあのポスターかな。あの主人公が跳んでいる絵を見ていたら、なんか行きたいなあと思ってしまったのだ。

 やはり、映画の宣伝ポスターって重要だ。監督が描いた落書きそのまんまじゃイカンのだな。

 正直、あと2回くらい映画館へ行ってもいいかなというか、まずもう一回観たい、切実に。もうこんなに映画で感動したの、スパイダーマン以来だよ。

 というわけで、みんなも観ろヨ。マジで観なきゃ損だゾ。

ガンダム・ジ・オリジンにインド人登場

 過去のエントリーにも書いたのだけれど、自分が安彦良和のジ・オリジンで、一番気になっていたのは、インド売春婦が出てくるのか、ということだった。
 最近の連載は、マチルダが死んだところで一段落し、その後、シャアの幼少から士官学校時代までを描くオリジナルストーリーが展開していた。
 よほど、インド人が描きたくなくて、逃避しているのだろうと思っていたら、今月の掲載で、なんとインド人が出てるではないか。しかもニュータイプの描写もある。
 どうするのだろう。あきらめて、ニュータイプを描くのだろうか? 安彦良和本人が死ぬほど嫌がったニュータイプを。つか本編にはいつ戻るんだろうな…

デビューマン2巻

デビューマン 2 (2)

 デビューマンは、少年画報社のヤングキングに連載されていたギャグ漫画、作者吉本蜂矢。
 その一巻にて示された才能は注目に値する物で、もしこの密度、テンションで続けることができたならば、鴨川つばめになれただろうと思う。絵は同時代性をキャッチしており、バカで下品と若者受けする作風である本作品は、青年誌というジャンルで看板となる条件を高いレベルで満たしており、ヤングキング編集部が過大な期待をかけたことは想像に難くない。
 しかしてその期待が、新人吉本蜂矢には過大なプレッシャーとなったからか、彼は江口寿史になってしまった。ついこの前初の単行本を出したばかりの新人がだ。
 普通ならば即切りだと思うのだけれど、彼の才能を認めるヤングキング編集部は、三回終了の短期集中連載にシフトするなどして、寛大な対応を見せた。しかし、その短期集中連載でさえも、連載二回目で原稿を落としてしまった彼は、当たり前のように干されてしまったのである。
 そして数少ないコアなファンの記憶からも薄れかけていたというか、ほぼ忘れていた、2005年9月に、なぜか二巻が出た。ちなみに一巻が出てから七年目である。
 たったの二冊分であれど、そこには、きっと鴨川つばめや江口寿史がまだ健在であったら、こんな漫画を描いていたのではないだろうかと思えるものがある。特に一巻の描き込みは尋常じゃない。そして二巻の画面の白さも落差が激しい。
 きっと完全燃焼の全速力で、身を削りながら描いていたのだろう。しかし燃料が少なかったので単行本一冊で燃え尽きてしまったのだ。
 というわけで、おすすめです。

 このエントリーで初めて、アマゾンリンクを生成するプラグイン、wp-amazonを使ってみた。ホントなら画像出るんだけど、デビューマンは画像なかったよ。

ヤングチャンピオン増刊 ブラック・ジャックスペシャル

 要は、ネオデビルマンをブラックジャックでやりました、という企画を一冊にまとめた物。ちうかこんなんやってたんだね、しらんかった。
 大目玉、手塚眞の書き下ろしの次は、柴田昌弘。
 つーか小松崎ランがでてるんですが、イギリスのセキュリティサービス勤務ですかそうですか。てか、何はともあれメイド服来てるんですが。この先生、女の着る服はメイド服以外描けなくなってるんじゃないの(´Д`)
 個人的には、きくち正太の割烹着ピノコと、高口里純のドクターキリコがよかったです。

YOUNG KING OURS 10月号

 おー、三ヶ月ぶりのRAISEかー どれどれ……
 ………………てあの~ なんか最後の14ページが下書きのままなんですけど。
 正直、新谷かおるがこんなことやるとは驚いた。今の連載、隠居間際の道楽なんかなあ。つか、全盛期、週間1本、隔週1本、月刊2-3本くらいこなしてたよね、この人。それでもこんなのは、なかったはずなんだが。たかだか、年四回、一回50Pごときで…
 で、今回HELLSINGはお休み。ちぇ~
 地味に「ナポレオン~獅子の時代~」が面白い。この漫画、絵柄が原哲夫チックだから、サン・ジュストがユダみたいなんだよな(笑)
 エクセルは相変わらずワケわかんねえ(´Д`)

おおきく振りかぶって

おおきく振りかぶって (1)
ひぐち アサ
講談社 (2004/03/23)

 作者ひぐちアサ。アフタヌーン連載。
 めちゃくちゃ面白い。こんな面白い野球漫画を読んだのはキャプテン以来だ。

 どんな漫画かというと、ORANGEの高校野球版だ。ORANGEはプロサッカーをテーマとしながら試合だけではなく、クラブを取り巻く環境の描いた傑作だった。この漫画も同じだ。試合だけではなく、高校野球を取り巻く環境の面白いものすべてを描きあげている。そういう意味で異質というか、今までなかったアプローチなのだけれど、このあたり作者が女だということも大きいのかもしれない。
 この漫画でとにかく感心するのは、作者の膨大なリサーチ量だ。とにかく、よく調べている。というか今までの野球漫画が取材さぼってんだろうなあ。
 作者は十数年このテーマに備えて、コツコツと資料を集めてきたらしい。いわばこれはこの作者にとって、本当に描きたい漫画なのだろう。女なのでORANGEのような、その辺で二、三人ぶっ倒れていてもおかしくないようなテンションは難しいだろうが、それとは別のやり方で盛り上がっていくだろう。現に1、2巻で描かれた練習試合は見応えがあった。
 続きが楽しみな漫画なのである。

Iron Chef America

 Iron Chef Americaは料理の鉄人のアメリカ版だ。
 日本で放映された料理の鉄人は近年アメリカで放映され大ヒットを記録、その後フードネットワークというケーブル局が番組の版権を買い、Iron Chef Americaというタイトルで自主制作している次第。詳しくはココ参照。
 なんせアメリカ版をやるくらいだからこの番組、向こうではちょっとしたブームになっていて、番組の影響を受けて料理人を志す若者が増えてるんだとかなんとか。おめでてーな。

 で、この番組が、スカパのフジ739でやっているので、ついつい見てしまうのだ。
 まず目を奪われるのは、その調理の雑さ。 とにかく雑。ボールでソースかき混ぜたら、中身を周りに飛び散らせるんだぜ。そして調味料の加え方がまだ豪快。塩はざっくざっくかけるし、オリーブオイルはドバドバかける。そうしてつくられる料理は辛くてしょっぱくて、とても美味しそうには見えない。
 ウチのヨメなど、愛エプの場外ランキング料理とこれ、どっちがいいかなとか言う始末。下エプと一緒にしちゃ失礼だろう、いちお鉄人だぞ鉄人。だから、「あれたべたい?」とか犬に聞くなっつーの。アメリカ鉄人の料理は犬の餌以下かってーの。
 まあ、こんな料理食ってれば太るだろうな、ってよく見たら鉄人もデブだ。ついでに審査員もみんなデブだ。
 で、最後に審査員が完成した料理に舌鼓を打つんだが、まあ正直自分はあれを食べたいとは思わない。だって、ホント全然美味しそうに見えないんだもん。
 なんかこう強烈に食文化のギャップをまざまざと見せつけられる番組なんだけど、なんかやってるとまた見ちゃうんだよなあ。

EP3インプレッション追記

 原えりすんが、「バレバレの手品の種明かしのようなもの」と言っていたけど、うまい表現だと思う。
 見てる人間のほとんどは、アナキンが暗黒面に墜ちてダースヴェイダーになることを全部分かった上で見ている。
 分かっている前提だからこそ、その過程をいかに見せるかが脚本の見せ所だったのだと思うのだけれど、前回同様脚本が弱かった思う。
 あれだけジェダイに身を捧げていたアナキンが暗黒面に墜ちるからには、もっと追いつめなければ納得がいかない。「パドメを救うため」では動機が弱いのだ。ジェダイへの不信ももっと描き込むべきだったと思う。
 何もかもすべてに絶望して、ジェダイは汚い、共和国は汚い、でも俺にはパドメがいる、さあ彼女のいる所へ帰ろう…… と帰った先ではパドメが五体バラバラにされていて、ってそりゃ違うマンガだって。
 まーともかくもっと追いつめてくれないと納得いかなかったなという話。

 いろんな人がEP3の公開、つまりスターウォーズの完結を感慨深く語っているのだけれど、自分はそれほどには思わなかった。つまり自分はさほどスターウォーズが好きじゃなかったのだなあと再認識。未だにEP4の最後の30分は限りなく完璧に近いシークエンスなんだけどね。

EP3インプレッション

 字幕版は戸田さんがまたやっちゃったという情報を聞きつけていたので、吹き替え版を見てきました。全席指定のシネコンで、次々回の上映を余裕でゲット。席も前の方は結構空いていたので、初日としてあんま盛り上がってないカンジ? コアなファンは先行、先々行ですでに見ちゃってたからかも。
 吹き替え版と言うことで場内にはお子様もたくさんいらっしゃったのですが、正直ヒマそうでした(´Д`) ちゅうかガキに見せるモンじゃないだろ、こんなダークな映画。
 でまあインプレッションですが、前評判通り後味の悪い内容でした。まあ仕方ないんだけどね。エンディングスタッフロールが流れ始めるときのあの景気のいい音楽が、全然あってなかったですねえ。
 ぉぉ、ターキン提督若いとか、ぉぉ、ウェッジのオヤジがとか、ファン的な見所も色々。

 で、終わったっちゃあ終わったんだけど、さほど深く感慨にふけるでもなし。ぁぁ終わったんですね、ただそれだけというのが正直な感想。本国での大絶賛の噂で期待値が高まりすぎたせいか、なんかすっきりしないのです。
 うん、そんなカンジでこの項了。

ドラクエ8をやる

 昔、月刊OUTという雑誌があった。
 基本的にはアニメ雑誌だったのだが、単なるアニメを扱った記事にとどまらず多種多様ななコンテンツを紙面にそろえていた。その中に「私立さくま学園」「ゆう坊のでたとこまかせ」という二つのコーナーがあった。それぞれのオーナーは、さくまあきらと堀井雄二である。
 私立さくま学園は説明するに易い。要するにジャンプ放送局だ。黄金期のジャンプを支えたドル箱コンテンツであり、読者投稿コーナーとしては前例のない単行本化を達成した、あのジャンプ放送局の前身である。当時の常連投稿者にはあの鈴木みそがいた。
 ではゆう坊のでたとこまかせはというと、これはちと説明するのが難しい。実際にやっていた企画を上げると、「○○(人名、なんて名前か失念)13歳春(だったかな?)」とかいうヤツがあった。これ何なのかというと、まず思春期の少年を主人公とする大枠のストーリーがあって、その場面を五つほど指定する。学校で不良に絡まれるシーンとか、美人家庭教師と二人きりになるシーンとか。
 んで、だいたい30文字かそれくらい以内のセリフ、または文章を投稿で募り、それをつなぎ合わせて一つのストーリーを完成させるというものだ。そういうなんというか、面白いには面白いんだけど万人受けではないビミョーな企画が多かったのがゆう坊だった。
 当時の評価も、さくま学園は誰が見ても面白い、ゆう坊は通好みとか、そんなカンジだったような気がする。
 で、確か82年の2月号だったと思うのだけれど(表紙は吾妻ひでおのイデオン柄振り袖の美少女)、そのゆう坊のでたとこまかせの巻頭言で、最近アップル2というバカ高いマイコンで、ウィザードリーというゲームをやっているんだけど、これがもう面白くて面白くてしようがないという話をしていた。
 そしてその数年後、堀井雄二は日本のゲームの歴史を一変させるゲームをリリースすることになるのだけれど、その源流はウィザードリーなんだろうなという話。

 でだ、
 長い前振りだったけど、そのシリーズの8が昨年リリースされたのでなーんとなく買って、なーんとなくプレイして、なーんとなくクリアしたのである。
 自分は漢字の漢って書く方のオトコを目指しているので、ラスボス攻略までバニーガールで戦った。終いにはヨメに聞かれた。

「それずっと着せてるじゃない」
「うん」
「バニーガールの格好って強いの?」
「や、あんま強くない」
「んじゃなんでずっと着せてるの」
「……」
「なんで?」
「…………」
「趣味?」
「うん」

 気が向いたらゲーム自体のインプレも後日書いてみる。