Supper’s Ready U hungly?

2004/07/06

MMOは夢

Filed under: ネトゲ — Ideyoshi @ 20:00:17

 ダンジョンズ・アンド・ドリーマーズという本がある。
 一時期話題になった本なので、記憶にとどめている人も少なくないだろう。
 この本のタイトルは、言わずもがな世界最初のテーブルトークRPG、ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズとかけているのだけれど、その内容もまたD&Dと縁が深いものになっている。
 この本は、ウルティマのリチャード・ギャリオットとDoomのジョン・カーマックという二人のゲームデザイナーを中心に、まだ浅いネットゲームの歴史について語られている。この二人に共通しているのは片やMMOの始祖鳥を作り上げ、片や通信対戦型ゲームの始祖鳥を作り上げた開拓者であり、その少年時代D&Dにハマっていたという事実だ。
 本書は、少年時代リチャ-ド・ギャリオットが夏期合宿ではじめてD&Dをプレイしたときの回想から始まる。その体験がいかに鮮烈なものであったかは文中にて何度も何度も強調され、章を重ねていっても、リチャードのこの体験はたびたび引用されている。
 つまりこの本が言いたいことは、リチャード・ギャリオットもジョン・カーマックも、少年時代にD&Dで受けた衝撃をコンピュータで再現することを夢に見て、結果そのゴールがUOでありDoomであったということなのだ。

 MMOは夢だったのだ。

 今、冷静に考えてみても、UOのゲーム仕様は当時としては異常だったと言わざるを得ない。もうほとんどの人は忘れてしまっているかもしれないけど、UOの発売当時の推奨スペックは200MHz以上のCPUである。これ、現在に換算すれば、だいたい3GHz相当だ。当時は箱を見て誰もが笑った。自分も笑った。
 UOのβテストのニュースを聞いたとき、そんなゲームが本当に存在するのかと、我が目を疑ったものだ。そんな、ついこの間、1ゲームに四人までしか入れないDiabloが成功したばかりなのに、いきなり一つのゲーム空間に2000人まで入れるゲームだなんて。正直信じられなかったが、実はそれは自分にとっても長年の夢だった。D&Dを遊んだ経験のある自分も他の多くと同じ夢を見ていたのだ。

 MMOは夢だったのだ。そしてそれは現実になった。

 ただ、夢の実現に苦難は付き物だ。世にリリースされた多くMMOは月々の課金の低額に苦しんだ。現状平均とされる12-15ドルの課金ではよほど多くの会員を抱えない限りMMOにビジネスとしての成功はないと言われている(参考までに、FF11はサービスイン直後、会員数20万人を損益分岐に設定した)。後にリチャード・ギャリオットは、現在の平均的なMMOの課金ではまともなサービスを提供することは不可能だとコメントしたが、そのような金額でなければ、UOはスタートできなかったのだろう。このあたり、手塚治虫が初国産アニメを受注する際に、とんでもない安値を提示し、その時の値段が長く国内アニメ業界を苦しめているエピソードに似ているかもしれない。

 UOから、7年の時を経て、数多くのMMOがリリースされてきたが、そのうちすでにサービス中止に追い込まれたものも決して少なくない。また、ビジネスとして成功しているゲームはごくわずかのメジャータイトルのみであり、二番手三番手は後塵を拝するのみといった状況が続いている。
 資金力さえあれば成功するのかいうとそうでもなく、特に去年のSims OnlineとStar Wars Galaxiesの大コケは、MMO市場を一気に冷え込ませる要因となった。双方ともリリース前は絶対的な成功が約束されたタイトルである。自分もSims Onlineは絶対売れない要素が見あたらなく、おそらくMMOの覇者はこのゲームであろうと予想したものだった。

 SWGは最近持ち直しつつあるものの、今秋にJet to Lightspeedという、チャレンジブルかつ大コケ要素の大きい新フューチャてんこもりの拡張のリリースを控えており、まだまだ予断を許さない状況だ。おそらくSOEというかVIはSWGが安定するまでEQ2のリリースを先延ばしにするのではないだろうか?
 Sims Onlineに至ってはもうニュースすら聞かれなくなって久しい。「ネトゲの持つ機能の最大需要はヴィジュアルチャットツール」との持論を持つ自分は、最初っからヴィジュアルチャットツールの体裁を持ったSims Onlineは絶対売れると踏んだのだけれど、予想に反してゲームがつまらなかった模様だ。実は正式サービスインと同時に、日本マニュアル版も国内発売されてるんだが……
 とりあえず、絶対成功を前提にEAがこのタイトルに注ぎ込んだ資金が、現在の10万に満たない会員数で回収できないであろう事は想像に難くなく、EAは当分現行UO以外のMMOには手を出さないだろう。UXOが開発中止なんてアッタリマエなのだ。

 夢だったMMOは、ビジネスとしては成立しがたいのか。

 さて話変わるが、自分がEQの課金を停止する少し前にリリースされて、結構ハマった拡張キットに、Lost Dungeons of Norrath(LDON)がある。
 LDONは、今までのEQにはなかったタイプの拡張で、最大六人のグループが、プライベート生成されるダンジョンで、90分の制限時間内で目的達成に挑む。これの何が素晴らしいかって、90分たてば何が何でも一段落つくということだ。EQタイプのMMOの何がイヤかって、ダラダラといつまでもEXPキャンプにつきあわされることに他ならない。社会人プレイヤーが求めるのは、平日会社から帰ってきて、メシ食って風呂入って、寝る前に一時間か二時間、軽ーく遊べるネトゲなのだ。

 MMOは夢だ。そして夢は実現した。ならば今はビジネスとして精密に検証するべきだろう。
 もし、一つの鯖にウン千人がひしめく既存のMMOの方式が運営上重荷だというのならば、PSOのようなMO方式を拡張すればよろしい。だいたい1ゲームに30-40人参加できるMOタイプのゲームであれば、かなり運営コスト的には楽になるのではないだろうか?
 そして、1ゲームのスパンが短いMO方式のゲーム仕様は、前述の通り社会人プレイヤーのニーズに合致したプレイスタイルだ。

 もうMMOなんて湯水のごとき資金投入が必要なゲームは、どっか大手一社に任せておいて、二番手三番手のメーカーは拡張型MOタイプのネトゲに方向転換するべきだと自分は思うのである。

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