高校時代の友人と久々の再会。大いに飲み、大いに語り、そして気づくとその翌日、ヨドバシでガンプラを買う約束をしていた。まあ、よくある話だな。
実は自分、バンダイのマスターグレードシリーズには以前より並々ならぬ興味を持っており、自分一人で買うには寂しいので、道連れになってもらった次第である。
元来、メインストリーム志向である自分のこと、チョイスはもちろん主人公メカということで、ガンダムEz8である。てゆーか、ずっとこれが欲しくてたまらなかったのだ。
そもそも、巨大ロボットなんて馬鹿な代物のデザインは大河原程度のおおざっぱさで充分と考える自分にとって、あのカトキデザインというのは、こざかしくてこざかしくて仕方ないんである。
対して、08MS小隊の陸戦型ガンダム、陸戦型GM、Ez8のデザインに共通するのは、「リアル志向なんだけど、なんかかっこわりぃ」というところにあり、これが結構自分のツボに来る。
具体的に、GMで比較してみよう。胸部のエアインテークだが、カトキGMはきゅっとしぼった形状で、こざかしさ大爆発だが、08小隊の陸戦型GMはほぼ真四角である。なんというか現用兵器にあってもいいかなという実用性臭のかすかにただようデザインなのだ。
そう、たとえるならば、カトキデザインはドイツ戦車で、08デザインは米軍戦車なのだ。名前もEz8だしな。
おそらく、08小隊の陸戦シリーズのデザインは、山根公利だとおもうのだけれども、本当にこの人のデザインはいい。そもそもOVA第MS08小隊自体が、一巻のパッケージイラスト、「ザクに倒されたガンダムの図」を見るまでもなく、「白いやつへの復讐」をテーマとして掲げていることは間違いなく、そうした幸運からこういった「どう見たってかっこわりぃガンダム」をデザインすることを可能にした訳なのだけれど、それにしてもEz8のあのかっこわるさは特筆に値するものだ。まさに登場当時の「歴代ガンダムかっこわりぃランキング」で堂々一位を獲得する風格を備えたデザインといえよう。ま、ヒゲが出現するまでの三日天下だったけどな……
まとにかく、自分は「白いやつ白いやつって、そんなに白いのがいいなら、真っ白に塗ってやるよ!」というバンダイへの怨念が形になったようなEz8が大好きなのである。蛇足だが、歴代ガンダムに見る「黄色い胸部エアインテーク」を廃して分厚い装甲板にすげ替えたのも、ポイント高いぞう。だいたい、陸戦兵器の分際で、機体前面のもっとも被弾確率の高そうな胸部にエアインテークはねえだろ。「狙ってください」って言ってるようなもんだぞ。オレがザクのパイロットだったら、真っ先にあそこを狙うぞ。
で、さっそく組んでみた。
説明書を開いて、五分で挫折しそうになったのだが、それを乗り越えるとあら不思議。なんだか楽しくなってきてしまった。
とかくこのキット、組んでて楽しいのだ。
まず、パーツの合いがいい。すばらしくいい。そして、接着剤がほぼ不要。ってか、説明書で接着剤の使用を指示している箇所は、頭部のアンテナのみである。あとは、ぱっきんぱっきんはめこんでいけばいいのだ。こりゃ楽でしようがない。とどめに塗装不要で、ちゃんと完成すると来る。目の部分なんかシール貼って終わりだ。むぅ、すばらしい。
そう、バンダイはMGシリーズの購買層である「小学生時分にガンプラを作って以来、プラモなんかさわったことない世代」が色なんか塗るのはメンドーで仕方ないということを、正しく理解しているのである。まあ、このあたりの正しい理解があってこそ、モビルスーツインアクションというシリーズのヒットもあるのだな。このシリーズの購買層に至っては、「プラモなんて組むのもヤ。いきなり完成品が欲しい」というわがままな人たちで、バンダイはこのわがままに見事応えているのだ。
とかく、Ez8の出来の良さに感動した自分は、それを二日で組みあげ(もちろん、MG正しい組み方であるところの素組だ)、その二日後には、ゼータプラスC1を買ってきたのである。
これを買った理由というのは、Ez8に見る、パーティングラインを極力なくす設計などの出来の良さが、MGシリーズ普遍のものなのかを確認する作業だったのだが、組んだ感想としては、やはりEz8の出来がよかったのだというところに落ち着いている。
しかし、ゼータプラスはEz8に比して作りは甘いものの、変形もできるし充分楽しかった。やはりMGはいい。
そんなわけで、ザクF2の再入荷を待つ今日この頃なのであった。ぁぁ、でも陸戦型ガンダムとGM買って、カレンのGM頭も作りたいなあ。