最近、通勤途中で読む文庫本しか買えない。ここ半年あまりで入手した大きなサイズの本で感じた事を書いてみる。

「世界の傑作機 No.138 WWⅡ ヤコヴレフ戦闘機」文林堂
「航空朝日 昭和十九年一月号 航空機と木材」
「航空朝日 昭和十九年二月号 航空機と木材」

 昔、航空機の材料としての木材(強化木)や接着剤について書いたことがある。その当時は、「間に合わなかった素材」という捉え方をしていたのだが、上記の3冊の本を読んで「苦労の割には使えない素材」であることが分かった。やはり、日本ではどんなに苦労してもアルミニウムしか選択の余地はなかったことになる。
“おまけ”
 昭和14年住友金属工業は、航空機用強力軽合金「超々ジュラルミン」の量産を開始した。超々ジュラルミン製造に使われるメタリックマンガン(乾式金属マンガン)の国内生産に先鞭をつけたのは中央電気工業株式会社(昭和9年創立)であった(と書いてあるが、マンガンを含有するのであれば単なるジュラルミンだと思うのだが。ジュラルミンの成分は銅約4%、マグネシウム0.5%、マンガン0.5%)。初めメタリックマンガンは少量であったが英国から輸入され、艦船のスクリュー用マンガン青銅の製造に使用されていた。
中央電気工業㈱でのメタリックマンガンの生産高は
昭和11年    19t
昭和12年    32t
昭和13年   228t
昭和15年   230t
昭和16年   530t
昭和17年   728t
昭和18年   852t
昭和19年   514t
(当然、超々ジュラルミンより普通のジュラルミンの方が使用頻度は多いし、生産量も多いはずだ。)
参考・引用文献
「中央電気工 業四十年史」中央電気工業株式会社
 昭和50年2月20日発行
「住友金属工業六十年史」
 昭和32年5月20日発行