はるか大昔、ロンドンに立ち寄った事がある。軽巡洋艦ベルファースト(HMS BELFAST)と大英戦争博物館Inperial War Museumには行った記憶がある。そのころ骨董市が大好きで、当時住んでいた京都の弘法さんや天神さんには欠かさず行っていた。そこでロンドンでもポートベロ・ロードPortbello Roadの骨董市にもいった。当然、〇〇を捜しに行ったが、なにせ言葉が通じないので4インチ迫撃砲の照明弾の打ち殻だけが収穫だった。ロンドンのポートベロ・ロードのある一帯をノッティングヒルNotting Hillという。映画「ノッティングヒルの恋人」はこのあたりを舞台にした物語だ。この映画はジュリア・ロバーツとヒュー・グラントが主演し、しがない旅行専門書店の店主とハリウッドの大女優の純愛を描いた物だ。さほどヒットもしない映画だったが、英国人のウイットとジュリア・ロバーツの可憐さが心地よいプリンスにとっては秀作だ。気分が落ち込んだり、仕事がうまく行かない時にこの映画を見ると、人生まだ捨てたもんではないと思う。プリンス、老後に生活の足しに、ちんけな菓子屋か古本屋を始めた時、店の名は「ノッティングヒル」と名づけようと思っている。
 「ノッティングヒルの恋人」リチャード・カーティス 小島由紀子訳
    竹書房文庫 平成11年8月27日初版発行