SUDO様から指摘されて気がついたのだが、本当は旧軍の火薬についてな~んの知識もなかった。失業中の身でなければ図書館に籠もり、勉強する事も可能だが、四六時中妻の監視下にある昨今、書庫の資料を読むこともママならないのである。さて、変わった性癖のある姫、火薬を調べてもついその組成、材料に注意が向いてしまい、有機化学工業や無機化学工業の教科書を読み始め、それを生産する企業史(家にある物はたかが知れていますが)をつい妻の目を盗んで読んでしまうのである。ある旧軍の資料を読んでいて、石炭の乾留以外で、トルエン(トルオール)などの芳香族を合成する方法がある事を知ってしまうと、さあ何処がやっていたんだという方向に興味が向かうわけである。

 アセチレンからの重合を最初に成功したのはフランスのベルトロー(1866)といわれている。わが国では東京工業試験所が昭和13年4月アセチレンの焦成重合に成功し、その重合油からベンゾール・トルオール・キシロールなどを得る方法を開発した。日本カーバイド㈱はこの実施権を取得して、昭和14年7月重合油年産400トンの工場を完成し製造を開始した。そののち第二次世界大戦中工場能力を3倍に拡張する工事に着手したが未完成のまま終戦をむかえた。
 「カーバイト工業の歩み」カーバイト工業会
  昭和43年3月31日   より

 ということで化学合成で作られたトルエンの生産量など、たかがしれたものでした。終り。

追伸.もしここを管理されている方がいらっしゃいましたらお願いがあるのですが、「北のさいはて日記」を「軍都ツキサップ日記」に変更できないでしょうか?よろしくお願いします。