月光

 月光と聞けば正気を疑いたくなるような遠隔操作式動力銃塔と次々と追加される海軍の過大な要求によって潰れた十三試双発陸戦を偵察機に爆撃機に観測機(これはさすがにW先生の間違い)に転用を試みつつ、結局応急夜戦として結果的に成功した凡作機という印象があります。

 けれども十三試双発陸戦の計画そのものが、最初から戦闘、偵察、爆撃を兼務する万能機構想だったのではないか。タイプシップとなったフランスのPotez630シリーズからしてフランス流の万能機構想「BCR」プログラムの産物だったのだから・・・・という内容である原稿を書き上げました。

 しかし短い記事の中に「十三試双発戦闘機二型」「月光一二型」「動力銃塔装備夜戦」など本邦初登場で馴染みの無い名前が次々出てくれば、読者としては「ホンマかいな」と首を傾げるに決まっています。でも、それでよし。あとは自分の頭と手を動かせば真実に至れる・・・場合もあるよ、と。

 雑誌の記事なんてものはあくまでヒントでしかありません。「これが決定版」と思えるものがあってもそれはまた新たなスタートラインのことなのです。

3月 13, 2008 · BUN · 3 Comments
Posted in: 陸海軍航空隊

3 Responses

  1. ささき - 3月 14, 2008

    「前下方に必要を感じたのは実験によるや?あるいは実際か?」
    「敵が優秀な複座戦闘機なる時を考えて、前下方にせめて7.7ミリを置いたらということになった」
    「前下方の射撃は困難なるべし」
    「編隊に対する前方よりの攻撃に対して、あったほうがよし」

  2. bun - 3月 14, 2008

    ささきさん。
    いらっしゃいませ。
    前に冗談の種にした「BCR」の話はちゃんとまともに書こうかしら、と思っているんです。
    時間が出来たらやってみます。

  3. ささき - 3月 15, 2008

    BCRとはBomber,Chaser,Reconの略でしょうか。
    仕事柄 Bar Code Reader が浮かんでしまいます(笑

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