ドイツ空軍機の可動機/保有機比率

 非常に大雑把な数字を掲げてしまうと、野戦飛行場でのドイツ空軍機の平均的な可動率は戦争全期間を通じて50%から60%だと言われています。連合軍機は70%から80%程度だとされていますが詳しい数字はよくわかりません。1941年10月、タイフーン作戦開始時の東部戦線ドイツ空軍は戦闘機が58%、爆撃機で40%です。ソ連空軍の活動が少し落ち着いた時期ですが、第一線の実態はこんなものでしかありません。

 その理由としては未舗装の滑走路で事故が多いこと、発動機の故障、補用部品の不足、熟練した整備技術者の不足など南方の日本軍のような報告が上がっていますが、事実は事実でラバウルの零戦やフィリピンの四式戦闘機などはその置かれた環境を比べれば健闘しているといって何の間違いもありません。

ただ、50%台の可動率というものはどんな空軍においても問題で、連合軍とドイツ軍がどちらも100機揃えたら、50機と70機、あるいは60機と80機という差がついてしまい、一個飛行隊分の戦力差が生まれてしまうということです。日本軍も可動率60%台の四式戦闘機について「故障解決が急務」だと認識していますし、ドイツ軍だって同じことです。
ではおよそ世の中の空軍はどの程度の可動率で「こんなものだ」と我慢するのかと言えば、2000年の米空軍戦闘機の平均的可動率は75%程度だったと言われています。100機揃えて75機以上が出撃可能であれば古今の空軍はまあまあ我慢するのかもしれません。
では、バルバロッサ前夜、西部方面に展開したソ連空軍機の可動率はどの程度だったのでしょうか。

3月 7, 2008 · BUN · No Comments
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