通説はどんな感じか?

 1941年6月22日からのバルバロッサ作戦でドイツ空軍が圧倒的な勝利を収めたことについて、権威ある定説はどのように説明しているのでしょう。
 そもそもドイツ軍用機に関する「権威」はそれこそゲップが出るほどにありますが、ドイツ空軍史には日本のマニアに浸透している権威ある見解というものはありません。今も引用とイメージで書かれた解説が繰り返されているのみです。
 おそらくこの分野での権威としてはW・Murrayの「STRATEGY FOR DEFEAT  THE LUFTWAFFE 1933-1945」あたりがそれに該当するのではないかと思いますが、そこでは「まるで『1943年』のマリアナ沖海戦で日本の母艦航空隊が屠殺された『七面鳥狩り』のようにロシア空軍は壊滅した」「それはスターリンの粛清によって多数の優秀な航空将校が失われたことが原因」「ソ連軍機も旧式だった」とまとめられています(よねぇ。)。
 まったくマリアナ沖海戦も有名になったものですが、ロシア空軍が大敗した理由については極めてあっさりしています。
 
 1941年6月22日、ドイツ空軍は東部戦線で奇襲的な基地空襲を中心とした航空撃滅戦を実施して、地上で800機前後、空中で200機から400機程度を撃墜して制空権を奪取していますが、なぜ、このような戦果が挙げられたのかという問いかけは殆ど見られません。どうせソ連空軍は数は多くても弱体で野蛮で旧式だから、ルフトバッフェと正面対決したらそんなものだろうと思われているのですけれども、本当の理由は何なのでしょう。

3月 7, 2008 · BUN · No Comments
Posted in: ソ連空軍, ソ連空軍復活の背景

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