70万頭の馬
アメリカ陸軍の騎兵関係者で騎兵の機械化に対して否定的なグループの代表的見解のひとつにドイツ陸軍の軍馬保有数の解釈があります。これは開戦前の時点でドイツ陸軍が70万頭の軍馬を保有し続けているという情報について、保守派騎兵関係者はドイツ陸軍が機械化を推進するかたわらで高度な戦術的配慮として軍馬を大量に残しているのだというものです。「機械化の何のと言ったって、ドイツ軍は馬をどっさり抱えたままではないか」と主張したのです。
現在ではドイツ陸軍の機械化を完全に達成できるほどの実力がドイツ国内工業に全く存在しなかったことは常識となっていますが、入手した情報に対しての解釈が両極端に分かれていたことがわかります。当時、全軍を機械化できる工業力を持っていたのはアメリカだけで、それは対独開戦後ほぼ1年で達成されますが、その実力がある無しに関わらず、適切なドクトリンを採用できない場合、成果が得られない場合があるということなのでしょう。
4月 30, 2008
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Posted in: 機動突破作戦の変遷, 陸戦
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