ウチら界隈のカリスマ読書家インドさんがおもしろいとゆっていたので買って読んでみました。
作者は故人。死に際に書いたという側面から語られることも多い作品のようですが、それよりもなによりも中学生の考えた漫画のプロットを原点としている内容が最強に高められてる様が素晴らしい。これは最大限に研磨された「ぼくのかんがえたさいきょうのとくしゅぶたい」であります。
ただ、それを卑下するでもなく誇りとしているところがいいです、すごくいい。ここまで高められた内容でありながら、ルーツとしての中学生の考えた漫画の部分は色濃く残っている。そしてそれを感じ取れる素養のある人こそがこの作品を楽しめるのではないかと。
この作者がこれを小説として発表した理由はただ一つ。絵に描けなかったから以外考えられません。絵を描けなかった人が小説で漫画を書いたものがラノベであると言う認識を自分は持っていますので。これもラノベでいいんじゃないでしょうか。
だからインドさんは、そろそろラノベ読んでもいいんじゃないかな。
以下だらだらと。
- 「好きとか嫌いとか最初にいいだしたのは誰なんだろうか」というセリフをわざわざ拾う解説の大森望はいろいろダメですね。
- ジョン・ポールがヨハネパウロだって、愛清ちゃんにいわれて初めて気づいた。
- 途中まで読んで、これは主人公がウジウジ悩んで終わる話なのかと思っていたのですが、ちゃんと虐殺に理由がついていてしかもオチまでついていたのは好感触。そういや最近ちゃんとオチのつく物語読んでなかったよ。
- いやあ個人的にはこの前読んだハイペリオンの没落の5000倍くらい面白かったなあ。
- 帯で宮部みゆきが「私は三回生まれ変わってもこんなの書けない」とか書いてるんだけど、あんたは子どもが異世界を冒険して帰ってきたら両親が離婚しててとか、そういうの書けるからいいじゃない。多分に彼女自身の中学生の考えた漫画のプロットを評価する素養が、ジェラシーに駆り立てるんでしょうな。
あと、かたなしせんせーおすすめの「青空にとおく酒浸り」も読了。オレ、今度から読む本はインドさんとかたなしせんせーに決めてもらうよ。