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The Ladder / YES

 買ってきました、いちおマイ・フェイバリット・バンド様であるYESの新譜であります。
 で、聴いてみてから改めて思ったのは、
アンダーソンが唄い、スクエアがバキバキベースを鳴らしながらバックコーラス(これ重要)をあてて、ハウがボトルネックを使えば、自分にはそれがYESに聴こえてしまうんですな。なんだか。
 そそ、ドラマー、キーボーダーは誰でもいい。ヴォーカルもアンダーソン似の声ならトレヴァー・ホーンでもいい(笑) とかく、スクワイアとハウだけはいないことには、「こわれもの」編成に代表される、世間一般で言うYESにならない。ハウがいないと90125だし(まあ、これはこれでよし)、スクワイアがいないのは大論外。

 さて、今回の新譜は古参はアンダーソン、ハウ、スクワイアのみで(ホワイトはあえて数に入れない)、新規参入メンバーにはラビンみたいなエゴの強い連中のいないという編成。イゴール・コルシェフ(ロシアからやってきたスゴイ奴。YESのナンバーは全部演れるらしい)も、ビリー・シャーウッドも、「ティーンの頃のアイドルだったYESにいられるってだけで光栄至極」ってカンジのプレイヤーなんで、結果ハウとスクワイアが好きにやってるかなという。割とDRAMAに近い雰囲気。
 しかし、去年見たコンサートでも思ったけど、ビリー・シャーウッドって人間出来てるよなあ。ダメだよ、アーティストがこんなに人がよくちゃ。

 結局、アーティストなんてのは、物書きしては四十歳で入水自殺し、玉を蹴ってはコカで捕まり、ギターを弾いてはハウくらいのわがままさというのが、ちょうどいいのかもしれないとか思ったり。
 つまり、創造力って自身のなんかしらの欠陥を補う目的で肥大化する能力ですからね。人格が破綻していればしているほど、発揮する想像力は強力になるのがスジというものでしょう。だって、まったく自己の能力に不足が無く、何不自由なく円満な人生を送るような人間には想像も創造も必要ないもの。

 まあ、そういう意味で歴代YESのメンバーってのは、当世一大のアーティストが名を連ねていたと言えますな。だから、脱退再加入解散再結成を何度となく繰り返しているのだけれども(笑)

 あ、そうそう、アルバムのインプレッションなんですれども。
 初回プレスのおまけで付いてきた、懐メロライヴ音源のシングルCDの方をよく聴いてますわ(笑) 「I’ve seen all good people」と「And you and I」を収録したやつ。

伊藤へろ君の十五ヶ月計画

 用あって、伊藤へろに電話。話しているウチに、向こう十五ヶ月はずっと忙しいとかぬかしはじめたので事情を聞く。

「なんでまた?」
『いやね、来るべき二十一世紀をきれいな体で迎えたいなと思ったわけですよ』
「きれいな体って、なんじゃいな?」
『まず、借金を片づけて。それから完膚無きまでに散らかりきった自室の整理整頓を』
「で、それを二十一世紀までに達成しようと?」
『そそ。名付けて「十五ヶ月計画」』

 ほう。
 なんというか、その名前からして共産国家の経済計画臭がプンプンすること、この上ない計画だ。
 よろしい。ではねちねちと揚げ足を取りつつ口撃して、その夢のような将来構想を粉々に吹き飛ばしてやろうではないか。

「ほんで、順調なの?」
『うん、それが最近とうとうドール趣味に足つっこんじゃって』

 ばかもーん!
 人がツッコミを入れようかと思った矢先、いきなり自分から最大級の墓穴を掘るんじゃなーい! 少しは「じらし」というものを入れろ、「じらし」というものを。
 まったく、キスなし、前戯なし、後始末なしの「三なし野郎」とは、おまえのことだっっ!

「ドールっつーと手製のアニメのおねーちゃん?」
『や、ジェニーなんだけど。これがスキンに間接の継ぎ目がないスグレ物で』
「はぁ、そうすか」

 まあ、なんつーかツッコむまでもなく自滅決定だな、こりゃ。

 ほんで、へろとはこの後、「や号作戦」についての相談をして、電話終了
 「や号作戦」とは?
 それはヒミツです。