見本紙を読む&その内容に関する追記

 久しぶりの更新は、とある米戦艦の話にでもしようかと思っていたのだけど、本日地区連合会の仕事から戻ってきたら、「決定版・太平洋戦争(7)」の見本誌が来ていたので、それ絡みの話をちょっとばかり。

 このシリーズは基本的に写真・図の選定及びキャプション書きを、各稿担当のライターではなく編集さんがやるので、個人的には「サマール沖海戦のの日本艦隊の初動解説、おかしいだろう」とかブツブツと言いたいところは少々ありますが、本の出来は例によって例のごとしでまあ良き哉、と思える物でありますので、御興味のある方は本屋で立ち読みの上で、御購入を検討していただければ幸いです。

 あと私が担当した部分で、スペースの都合か説明が省かれたところがあったので、ちょっとそれに関する話を。P116に「太平洋戦争における米潜水艦の実動数の推移」という表がありますが、あれは実際には「太平洋戦争時における米太平洋艦隊(アジア艦隊含む)所属潜水艦の月別哨戒実施艦数」表で、太平洋艦隊の訓練艦や保管状態の艦(戦争末期のP/S/T級とか)、整備休養及び改装中の艦は入っていませんし、大西洋艦隊の艦は状態問わず入っていません。あの表に記載されている数値が、戦時中の米の潜水艦保有量に比べて、妙に少ない感があるのはこのためです。

 それと内容について若干捕捉。

(1)1942年3月に実動数が一気に減るのは、豪州に後退したアジア艦隊所属艦がこの月に殆ど活動しないため。
(2)1942年6月に実動数が上がるのは、旧S級の多くが現役復帰したことによるもの。逆に同年末以降暫く実動兵力が減るのは、旧S級が一部を除き第一線任務から外れるため。
(3)1943年春~初夏の兵力増大は、大西洋での潜水艦の哨戒実施が不要と見なされたため、大西洋艦隊所属の艦隊型潜水艦が太平洋艦隊へと転籍された影響もある。

 …まあこんな所でしょうか。実際の中身については、御覧になっていただければありがたく思います。

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