お釈迦様もみてる 紅か白か(ネタバレあり)
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お釈迦様もみてる 紅か白か 今野 緒雪 コバルト文庫 2008-08 |
源氏(赤)か平氏(白)か。仏教系の花寺学院高校入学の朝、福沢祐麒は選択を迫られる。祐麒にはわけがわからなかったが、他の新入生は校門を入って程なく現れた源平関所(分かれ道)を迷いもなく右へ左へと進んでいく。けれど祐麒は、その意味を誰かに訊くことも適当に道を選ぶこともできずにいた。挙句、意志とは関係なく関所破りをしてしまい!? 祐巳の弟の祐麒が主人公の「マリア様がみてる」姉弟(きょうだい)編、ついに登場!
あー、購入はかなり前なのにやっと読了しましたよ。
や、別冊Cobaltで読んでいたので急がなくてもいいかなぁと思い、ついつい……。
一緒に購入した伯爵と妖精はすぐに読んだというのに(汗)。
まずは一言、二言。。。
・祐巳は祥子様に見いだされるまでに半年くらいかかったというのに、祐麒は入学した日早々に柏木さんに見いだされちゃったんだねぇ。
「女子だったら十人並みだけど、男子だったらかわいいんだよ」
そんなセリフが浮かんできたなぁと思ったら、先日読んだ『聖鐘の乙女 光の王子と炎の騎士』の中のセリフだった。
男装して男子しか入学できない音楽学校に入った女の子が邪な心を持った先輩に迫られるシーンで言われてた(w
福沢姉弟もそんな感じなのかと……。子ダヌキさん。
・祐麒が高校1年なら祐巳も1年のはずだが……。今回の話に出てきた祐巳は超祐巳ちゃん(レイニーブルー以降)じゃね?
まぁ、家の中ではあんな感じなのかも。や、あの下地があったから今の祐巳さまが出来上がったのかな?逆にマリみての祐麒は大人っぽいのに、こちらでは子供っぽかったりと……福沢姉弟は補い合って成長していくんだよね、きっと。
コバルト通信とあとがきに「大幅加筆!!」と書かれていたが、途中までまったく気づけなかった。まぁ、途中まで読んで違和感を感じ出すのだけど。
もしかしたら祐麒は双子だったかも?
はて? こんなエピソードあったかな?と思い、文庫を読みながら別冊と較べていく事にした。
なかった……。←自分の記憶力に驚いた
双子だったかもという部分が加筆部分だったんですな。
後のはてにをはを変えてあったり。アンドレ先輩との対決の結果のシーンでいくらか加筆していたり。結果のシーンは雑誌の字数制限で泣く泣く切った部分をもう1度貼り付けたんだよな、きっと。
聞き返すは、金剛力士立像阿形みたいなすごい形相の男。それを受ける男は、さながらガンダーラ仏のようなアルカイックスマイルを浮かべている。
別になくてもいいような気もするが、柏木先輩のいじわるな面を表しているかもしれない。
この一文がないと、柏木先輩がすごくいい人のように見えるから(w
加筆といえば、このアンドレ先輩。キャラが良すぎる。後日談の短編は本当に面白かった。続編が発売される事になれば、もっと見られるんだろうなぁ。
小林と高田のイラストがあったのにアリスやアンドレ、ランポーのイラストがないのは何故?と思ったら、文庫のイラストは書き下ろしじゃなかったのね。雑誌に載っていたのを再利用とは……。ただし、高田の肌が黒いのを表すためのトーンがはがされ、髪の毛が黒くなっていたけど。その部分に何かこだわりがあるんだろうか?
ずっと、花寺の話がこれが初出じゃないよね?前にあったよね?と思っていたが、それはマリみての涼風さつさつで花寺に手伝いに行った時に描写があったからなんだね。勘違いしてた……。
Posted by: seed | 09-03-2008 | 11:09 PM
Posted in: コバルト文庫 | 読書