髪の毛を切りに

同居人が髪を切りたいというので付いていく事にした。
到着した美容院は変わった感じで、一見すると普通の建物。とても美容院とは思えない。入り口を入ると長い廊下になっており、その奥に人がいるのが見えた。
同居人が「髪を切りに来た」というと、さらに奥の部屋に通される。
え?奥の部屋って……?
私の目に見えたのは、病院の手術室の扉だった。
まぁ、同居人が入っても手術中のランプは付かなかったけど。
(ランプもない)
待っている間、暇だったので待合室(というか廊下か?)にいた美容師(おばちゃん)に。
「縮毛矯正ってやってますか?」
「やってません」
「じゃあ、カットをお願いしたいんですけど……」
「そこに座って下さい」
おばちゃんが指さしたのは廊下の隅に置いてあった椅子。
しかも、車椅子だった。
よくよく見ると、車椅子の座る部分に何やら棒が飛び出ている。
そう、飛行機の操縦桿のような物が……。
子供が飽きないように、椅子が車の形になっている物とかあるけど、これって……。
「ええっと……」
「早く座って下さい」
急かされ、車椅子に座る事になった。
「毛先を揃えて下さい」
そう言ったのにも関わらず、おばちゃんはじょきっと躊躇無く、はさみを入れる。
「あの毛先だけでいいんですよ……?」
「私はこの方が似合うと思います」
おばちゃんはザクザクと私の髪の毛を切り続ける。
しかもどう見てもザンバラだ……。
止めて下さいと言いたかったけど、ここで止められても帰る事も出来ない。
仕方なく、静観する事にした。
切っている間に色んな人が通りかかり、その度に「場所をずれて下さい」と言われるので、その度に車椅子を移動させられる。
そんなこんなしているうちに同居人は髪を切り終わったのか、私には気づかずに出て行ってしまった。
その後、私の髪も切り終わり、変なショートカットにされていた。
同居人の行方が気になっていたし、早くここから出たかったので
「あの……代金は……?」と聞いてみたが、おばちゃんは答えない。
仕方がないので1万円札を出そうとすると、もう1枚持って行かれた。
??どういう事?
「あらあら、大きいお金なんですね」
キャッシャーは遠くにあるらしく、小走りに去っていくおばちゃんを呆然と見送った。
しばらくして戻ってきたから良かったものの、これでおばちゃんが店員ではなく、ただの部外者だったらどうしてたんだ、私。
「おつりです」
渡されたお金を見ると3720円だった。
好き放題されて16280円すか……。
もしかして、ここは本当に病院?
私ってば、気絶しているうちに手術された?
しかも、保険証を持ってこなくて10割負担?
もう怒る気力も失せて、外に出た。
外に出て同居人を捜したが、どこにもいなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

という夢を見たよ……。

Posted by: seed | 08-26-2008 | 01:08 AM
Posted in: 雑文

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