イブの事件で重傷を負った五十嵐鉄平もようやく退院、爽やかにむかえた新学期。なぜか鉄平の通う羽原羽高校は、お嬢さま学園と交流会を催すことになっていた。しかも実行委員長として、鉄平の姉・豆子を名乗る謎の女教師がッ!!
……ってまた何やってんだ槍ヶ岳。しかもなぜ全身ピンクのスーツ?
「バレンタイン交流企画『あなたのハートをゲットです』デスッ!!
大丈夫。今回は五十嵐さんに特別していただくこともありませんし」(←大嘘。)
実は今日のバレンタインにちなんだ物を読もうと思ってこのシリーズに手をかけたのだったして……。という訳で本命の作品。
このバレンタイン企画、色々な思惑が絡み合っている。
冬休みまで仲良くしていたのに新学期が始まって急によそよそしくなったゆかりが気になる鉄平。ゆかりの真意は?もしかしてチョコレートはもらえない?
お嬢さま学園『百合百合学園』の美少女、霧島曜子。鉄平に気があるのか?いや、実は……。
槍ヶ岳のライバル(一方的に思われている?)大目玉の暗躍。
イベント最中の学校に爆弾が仕掛けられていた……。
結局、爆弾を解除するためイベントそっちのけ(裏方に回り)で走り回ることに。
今回は鉄平だけでなく、ゆかりも爆弾解除をする訳だがそこが見物かも。初見で間違いなく琴を弾けちゃうのってすごすぎだよねぇ。
今回初登場の霧島曜子。
ビジュアル説明が『ふんわりボブシルエットにえり足ロング。微妙にウェーブのかかった髪が肩の辺りでふわりと風に揺れている』というものなのだが、イラストって合っているのかなぁ。ふんわりボブシルエットってことは外側の髪がボブ丈でカットされていて内側の髪が長いのではないかとイメージしたんだけど……わたしの勘違いでしょうか?
それと……鉄平にというよりはゆかりにときめいちゃっているみたいなんですが、違うベクトルで三角関係に発展なんでしょうか?
「おめでとうございます!! 五十嵐さんはサンタクロース役に大抜擢されました!!」雪の降り始めたイブの夜。異世界から来た槍ヶ岳と名乗る全身真っ赤なスーツの女は、あちらの中継番組の企画で、俺に一人の薄幸な少女を救って欲しいのだという。
確かに今夜は一人きり。予定なんてない。そして巻き込まれるままに邂逅した少女はクラスメイトの古都ゆかり!? ……彼女は最近両親を亡くしたばかりのはず。番組の都合があるから4時間で救えって!?俺に何ができる?俺は何をすればいい!?
しばらく積ん読ままになっていたのだが……もっと早く読めば良かったよ~。
物語の流れが始めは突飛すぎて「どうなのよ、どうなのよ、これ」って感じなのだけど、どんどん引き込まれていき、続きを読みたくなってしまう。
「この地球にはあなた方の世界の他に2つ世界が存在します」
そう槍ヶ岳は言う。
「第一世界(ザ・ファースト)」「内世界」:槍ヶ岳の住む世界
「第二世界(ザ・セカンド)」:内世界と外世界を繋ぐ世界
「第三世界(ザ・サード)」「外世界」:主人公の住む世界
外世界というのが私たちが暮らしている世界にあてはまる。
内世界は高度な科学を持っていて外世界に来ることができるらしい。
内世界では「外世界をのぞき見る」という番組が流行っていて槍ヶ岳は『ザ・外界ウォッチング』という番組のレポーターである。今回は特番として『外界人がイヴにサンタクロース役となって外界人の発行少女を救う』という番組でやってきたらしい。
主人公の五十嵐鉄平は槍ヶ岳に乗せられてサンタクロース役をやることになる。
さっそくロケハンに行くことになるのだが「瞬間移動」と言いつつ、アイマスク、ヘッドフォンをされ、乗り物に乗せられる。まるで、電波少年のようだ(笑)。
ヒロインゆかりと話し、彼女の祖父のクリスマスパーティーに行くことになってしまう。彼女のどこが薄幸なんだ?と思ってしまうが、この後、不幸というか災難が降りかかってくるのだった。
そして、鉄平は……。
始めにも書いたけど、どうして読まずに寝かしたままにしていたんだろうと思ってしまうくらい、良作だった。
この作者さん、この作品がデビュー作だそうで、次回以降もすごくたのしみですなぁ。
……ってもうすでに6冊も出てるみたい。
すぐ、続きが読めるのって幸せだ~。

召喚士マリア 2
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.22
安田 均原案 / 北沢 慶著
富士見書房 (2004.12)
通常2-3日以内に発送します。
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召喚士マリア 1
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.22
安田 均原案 / 北沢 慶著
富士見書房 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。
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『じきに俺がおまえを全部乗っ取って、操り人形にしてやるぜ!』
男は勝ち誇ったようにベッドの上からマリアを見下ろした。男は人ではない。頭には二本の角。彼は、魔界に落ちた天使--人類の敵、堕天使だった。
落ちこぼれ召喚術士の少女マリアは、魔力の爆発にのみこまれ生死をさまよう。そして、目覚めると、堕天使と魂を共有する関係になっていた。堕天使は、マリアの体を自由に出入りし、マリアが頭で考えていることも伝わってしまう。さらに、堕天使は美少年に目がなくて!そんなマリアが聖都防衛で、悪魔(含む堕天使)退治に挑むことに……!
すごっく読みやすい。これがファーストインプレッション。
久々にどたばたコメディファンタジーを読んだ気がする。
読みやすいと思ったのは、慣れ親しんだ富士見ファンジア文庫のせいか、さらに挿絵が四季童子だからか?(w
それだけではなき、主人公のマリアが落ちこぼれ召喚術士で1度も召喚に成功したことがない点。ひたすら元気で落ち込むことを知らないんじゃないかというくらいのお気楽もの。今回初めて召喚に成功するし、これからの成長に期待したい。