韓国旅行記


 えー、実は十月の中旬に、社員旅行で韓国行ってきました。
 韓国と言っても、自分が即座に思い浮かぶのは「焼き肉」「キムチ」「あかすり」ですか。どれにも興味がないし、会社から出る他に自腹で五万ばかし出さなければならないという事だったので、行こうかどうか迷っていたのですが、なんでも韓国の戦争記念館はスゴイという噂を耳にして、結局行くことにしました。
 出発前日は、韓国行きの予習として、小林源文著「第二次朝鮮戦争-ユギオII-」を読み直します(笑) 覚えた韓国語は「ナン チョッパリガアニヤ イルボンイン(オレはチョッパリじゃねえ、日本人だ)」のみ。
 ぁぁ、なんか典型的なナメた観光旅行者ですね。こんなんで、反日感情大爆発の大韓民国に乗り込んで大丈夫なんでしょうか?
註:チョッパリとは、アメリカ語で言う「ジャップ」の意。倭奴(ウェノム)ともいうらしい。

 んで、韓国上陸一日目。街を見ると、当然そこを歩いているのは、我々と同じ黄色人種。若者中年老年の服装も日本と大差ありません。街の看板にあふれるハングル文字を除けば、外国に来たって気がしない状態。ハングルにさえ慣れれば、全く違和感なく過ごせそうです。
 韓国の通貨、ウォンと円のレートは12:1くらいですか。王様にはなれなくとも、ちょっとした小金持ち気分は味わえます。ちなみにウォンの一番の大きい紙幣は一万ウォン札。三万円をウォンに替えたら、分厚すぎて財布に収まらなくなりました(笑)

 韓国ではハワイ並に日本語が通じます。ホテルの従業員はもちろん、一般タクシーより料金の高い模範タクシーの運転手ですら、簡単な日本語は通じてしまいます。
 街を歩いても、日本人観光客の立ち寄りそうな店の張り紙は、全て日本語。市場によると、日本人観光客目当ての客引きが「シャネルのバッグ、安いよ?」と達者な日本語で話しかけてきます(自分なんか、肩を抱かれて、無理矢理店に引きずり込まれそうになりました)
 まあ、韓国に訪れる観光客で一番多いのは間違いなく日本人なわけで、一番カネを落としていくのも日本人なわけです。
 誇り高き大韓民国の反日感情も、ジャパンマネーの前には叶わないって事でしょうか? アジアクライシスの例に漏れず、今の韓国不況だしね。

 一日目は、ツアーに組まれたところをまわって、ホテルのディナーショーを見て終了。
 ガイドさんに、「南侵トンネル(北朝鮮が、開戦に備えて掘っていたトンネル。当然、出口はDMZの向こう側。現在四本が発見されているが、全部で二十二本もしくは一八本あると推測されている)と、DMZ(休戦線を囲む非武装地帯のこと。北朝鮮と韓国はお互いを他国と見なしていないので、国境線とは言わない)が一望できる統一展望台に行きたいんですけど」と尋ねたところ、「それは一日かがりのツアーになります」とつれない返事を頂きます。その時のガイドさん、結構ヤな顔してました(笑)

 さて、終日自由行動の二日目、一緒に行ってくれる人などいるわけもないので、一人で地下鉄を乗り継ぎ、戦争記念館のある三角地駅へと向かいます。戦争記念館はかなり大きい建物らしく、駅内の地図ですぐその場所が分かりました。
 まあ、大韓国民はゴージャス好きですから、かなり大きな建物であろうとは思ってはいましたが、着いてみたらこれが本当にでかい。概算2.5Km四方のその敷地に、正面入り口から足を踏み入れると、まず、韓国の主力戦車K1(別名:小エイブラムス)とパットン戦車が来場者を迎えてくれます。
 「おおおおお〜〜 ホンモノの戦車だ〜〜」と感動しながら右手を見ると、敷地のカドに鎮座するB-52が目に入り腰が抜けそうになります。近づいてみるとこれが、柵もなにも張ってないんですよ。真下に入って引き込み脚収納部を覗けるし、触るのもオッケイ。
 クラクラしながら、さらに目を移すと、そこは屋外展示のメイン広場。見ると様々な戦車や砲が並んでいます。そしてその中になんと、

 我が愛しの戦車T34がっっ!!!

 自分、それまでは観光名所で、やたらめったらと写真を撮りたがる観光客を軽蔑していました。「ここがどういう場所なのかはよく分かんないけど、とりあえず来た記念に撮影しておく」という姿勢を蔑視していました。
 しかし、この時ばかりは‥‥ カメラも同行者もない自分の身の上を嘆きましたですよ。T34と一緒に写真を撮りたいよ〜〜!
#自分の感覚としては、T34を背景に写真を撮りたいんじゃなくて、T34と一緒に写真を撮りたいんですな(笑)

 置かれていたT34は、85mmを積んだT34/85(朝鮮戦争で北韓が投入) もうまじまじと眺めました、触ってもいいんでぺたぺた触りました。至福の時でした(笑)
 とにかく、この戦争記念館、韓国が関係した戦争に登場した兵器は、ほぼ網羅されているので、屋外展示だけでも相当数が置かれてるんですな。

 「SU-100」 うぉぉぉぉぉぉ〜〜!!
 「90mmAA」 うぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜!!
 「122mm野砲」 スターリンのオルガーン!!
 「ボフォース40mmAA」 うぉぉぉぉぉぉぉ〜〜!!

 しかし、戦車やヒコーキ見て感動するならまだしも、野砲や対空砲見てニヤニヤしてるところをパンピーから見たら、タダの危ないヤツですな(笑) やっぱり一人で行って良かった。
 さて、屋外展示の鑑賞でかなりの時間を費やして、記念館入り口へ。実は今まで書いた、屋外展示はすべてタダで見られるんですよ。スゴイですよねえ。
 入り口には売店がありました。自分がしげしげと眺めていると、売り子が日本語で話しかけてきます。
 「DMZの写真集がありますよ。日本語の」
 「ええ! DMZ!」目をキラキラ輝かせて、聞き返すワラクシ(笑)
 ぁぁ、やっぱああいう商売を長年やってると見るだけで客の種類が見分けられるんですね。結局ここでは、DMZ絵はがきと、戦争記念館のパンフレット(日本語版。北韓ではなく北朝鮮と表記されていてビックリ)を購入。パンフは3000ウォンなり。つってもショボイ代物では決してなく、日本で買えば2000円くらいはするかなという、オールカラーの冊子でした。
 さて、2000ウォンの入場チケットを手に館内へと足を踏み入れます。
 こちら、屋内展示では、当然屋外で野ざらしにするわけにはいかない種類の展示物があるわけで。
 T-6、T-33(P-80の練習機仕様)、P-51、Mig-19、Mig-15、F-4、F-86D、F-86E‥‥
 もうこの段に至っては、「感動のインフレ」をおこしており、感覚がマヒしています。いちいち、感動できる状態ではありませんでした。
 館内には、この屋内展示室の他に、順番に見ていけば韓国の戦争の歴史が全て分かる「韓国歴史室」や「韓国戦争室」 現在の韓国四軍の状況を展示で見る「韓国軍事発展室」などがありました。
 これらは当時の、武器兵器、戦場を再現したディオラマなどからなるのですが、かなり豪華な作りになっていました。ディオラマはほとんどが等身大で、「北韓の兵士と戦う、学徒義勇兵」とか「中国軍の人海戦術」とか。
 一番スゴイと思ったのは、韓国海軍の展示室の中にあった、駆逐艦の内部を再現した展示ですね。二階建てで、そのままを再現してるんですよ。カネかかってるなあ。あと、別ブースに進む通路が、南侵トンネルの模型になってたり(笑)
 それと笑ったのは、ベトナム派兵展示室にあった、当時の兵士の装備の展示。K-RATIONというのが、要は韓国兵士の糧食なんですが、缶詰の中身が全部キムチ(笑) お前ら、それがあればいいんかい? とツッコんでしまいました。
 とにかく、充実した展示内容でした。最後は時間が足りなくて、早足で見てまわってましたから。ミリタリー好きの人ならば、朝から行って、丸一日時間をつぶせますね。閉館時間より少し早めに建物を出て、スミにちらほらと野砲が展示されている駐車場側へ、念のためにと行ってみると、さりげなくPT-76なんぞが置かれていたりして、まったく侮れません。
 実に有意義な体験でありました。

 さて、この日は戦争記念館から撤収後、一度ホテルに戻り、それから夜の街への単独出陣。
 目指すは、「るるぶ韓国」に載っていた、「70'sロックを聴かせるバー-Woodstock-」
 何でもこの店は、航空会社のオーナーをやっていたオヤジが道楽で集めたレコードCD合わせて2000枚の所蔵を誇る店とのこと。中にはいると、あちこちに当時のポスターがべたべたと。カウンターに腰掛けると、店主ではないと思われる若い男が品書きを出します。品書きを埋め尽くすハングルを前にして凍り付くワラクシ(笑)
 ビールは英語表記だから分かったんですが、つまみが皆目見当が付かない。仕方ないので、テキトーに一品指を差すと、食いきれないほどの干物が出てきました。
 ビールを空けて過ごしていると、店主らしき男が出てきました。どうやら日本語が分かる様子。色々話して、最後にはカウンター内にあるコレクションを全部見せてもらいました(笑) 店主の好みは一貫してウッドストック前後にある様子。しかし、中にはマイケル・ジャクソンなんかもあって膝がカックンと来ることも(笑)
 一通り見終わってから、店主に質問。

自分「ピュアなロック好きなんですか?」
店主「特にそう言う訳じゃない」
自分「でも、あの中に、メタリカとか、ミスタービッグとかありましたよ?」
店主「あれはね、ビジネスです(笑)」

 ホンマか〜〜? オヤジ? 確かにマイケル・ジャクソンはそうなんだろうけどさ。
 二千枚の中には、UKオリジナルの宮殿があったので、これの中から一曲、エピタフをリクエスト。集中して聴いたけど何が違うのか分からんかったッス。
註:「クリムゾンキングの宮殿」のUKオリジナル盤は、テイクが再発CDと違うらしい。

 このオヤジ、結構オチャメらしい。店内に、サージェントペパーズのジャケの写真が貼ってあったんだけど、これがよく見ると、バスドラの「SGT.Pepper's Lonely Hearts Club Band」と書かれているはずの部分が、「WOODSTOCK Lonely Hearts Club Band」になっておる(笑) しかも、よく見るとポールの顔を自分の顔に貼り替えてるじゃねえか(爆笑)
 で、このことを店主に指摘したところ、笑いながらちょっと嬉しそうな顔をしていました。さりげなく貼ってあるし、気付く客も少ないんでしょう。
 結局、この日はバドの小ビンを六本ばかしあけて、いい気分になって退店。帰り、ビルのトイレで強酸液を吐いてしまう(笑)

 タクシーでホテルの部屋に帰ってからは、店による途中に本屋で買った韓国のゲーム雑誌を開いてみます。この雑誌、A4変形版のオールカラー、250Pで、6500ウォン。かなりの値段じゃないでしょうか? 単純に円で換算するなら、650円ですが、現地の感覚では3000円くらいなのではないでしょうか? ここまで高価なのは広告が少ないのが原因かも知れません。
 で、その中身ですが、トップ記事が、FF8とつるーらう゛すとーりー2の速報記事。

 って、日本と同じやん(笑)

 期待した韓国ゲームの記事は、ざっと見で見あたらなく、ページをめくってもめくっても日本のゲーム。誇り高き大韓国民の反日感情も、日本が誇る文化資産、アニメ・ゲームの前には無力なのでありましょうか?
 で、この号ではメタルギア・ソリッドの特集を組んでいたのですが、記事の主はゲーム攻略ではなく、日本語メッセージの全訳(笑) アイテムなんかも日本語表記の横にハングルでなんか書いてあるんですね。それにしても、韓国では新聞雑誌に日本語を載せるのは禁止されていると聞いていたんだけどな‥‥ やはり、誇り高き大韓国民の反日感情も(以下略)
 読者投稿イラストなんかを見ても、ベルダンティーとか、ナコルルとか、カードキャプチャーさくらとか、水野友美とか(日本の雑誌の投稿レベルには及ばないもの、結構うまいのもある) ぁぁ、イカンよ君たち。大日本帝国の占領時代を経験した、君たちのおじいちゃん、おばあちゃんがこれを見たら、泣くよ?
 なんであれ、韓国の反日感情をなくすには、外交官がコメツキバッタのようにペコペコ謝るよか、日本のアニメ・ゲームを国の政策として、ドカンと輸出する方がよほど良策であると、思い至った次第であります。

 そんなわけで、その翌日帰国しました。事前予想をはるかに上回る成果に大満足の韓国旅行でありました。


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